日立とパナソニックコネクト、生体認証の展開・加速に向けて協業
2023/2/28(火)
株式会社日立製作所(以下、日立)とパナソニック コネクト株式会社(以下、パナソニック コネクト)は、生体認証のグローバルな展開・加速に向けた協業を開始する。2月27日付のプレスリリースで明かした。
生体認証市場において、非接触・ハンズフリーでスムーズな運用が可能である顔認証は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況も受けて、さまざまな産業分野で、需要の急拡大が予測されている。2030年には、全世界での市場規模が2.2兆円(パナソニック コネクト調べ)に上ると見込まれている。一方で、生体情報の管理がボトルネックとなり、その導入・活用・普及には、高い信頼性の確保が必要不可欠という課題がある。日立は、指静脈や顔、虹彩などの認証モーダルや認証端末を問わず、一括管理・運用の可能な「生体認証統合基盤サービス」を提供している。同サービスは、生体情報を復元不可能な形に暗号化する独自技術PBI(Public Biometric Infrastructure)による厳格な本人認証を核とし、さまざまな利用シーンや運用形態に応じて提供可能だ。これまでには、飲食店での決済やゴルフ場の受付・ポイント連携、ワクチン接種証明の本人確認、デジタル地域商品券の利用・決済などで幅広く適用されてきた。
また、パナソニック コネクトは、顔認証技術において2つの顔画像が同一人物か否かを判定する1:1認証方式で世界1位※ の評価結果を得ている。これまでには、空港での厳格かつ円滑な本人確認、イベントでのチケットレス入退場、店舗でのキャッシュレス決済、施設・オフィスでのカードレス入退室などで多角的に活用されている。
※ 2022年11月6日のNIST(FRVT 1:1)経年変化評価において、Mugshot(人種・経年変化を含む正面顔データ、他人受入率:10万分の1)で世界1位を獲得した。(プレスリリースより)
両社は、今回の協業により、高信頼で快適な顔認証を実現し、課題を解決する。具体的には、日立の特許技術を活用した公開型生体認証基盤PBIとパナソニック コネクトの顔認証技術を融合。安心・安全かつ快適な生体認証をさらに追求した新サービスの創出に向け、取り組みを推進する。さらに、両社は、暮らしやビジネスといったさまざまな分野での社会実装に向け、ユースケースの開発と実証に協働で取り組む。第一弾として、トラベルを例とした実証を、今春より実施予定だ。全国規模で展開する小売店舗において、顔認証を用いた「手ぶらスタンプラリー」の実証を行い、来店時に顔認証でポイントが貯まるキャンペーンをスタートする。
なお、両社は、よりよい社会や持続可能な未来の実現に向け、さまざまなステークホルダーと協働して新たな価値の創出に取り組むオープン・イノベーションに注力する。そして、長年培った強みをかけあわせ、急成長の生体認証市場をグローバルにリードする新サービスの創出に取り組んでいくと述べている。
(出典:日立 Webサイトより)