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三菱重工ら、ドバイの全自動鉄道システム・路面電車運行に参画

2021/3/25(木)

ドバイメトロ

三菱重工業は23日、三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(以下、MHIENG)、フランス国有鉄道グループのケオリス社(KEOLIS SA)、および三菱商事とコンソーシアムを組み、アラブ首長国連邦(以下、UAE)・ドバイ首長国にある全自動無人運転鉄道システム「ドバイメトロ」の運行・保守、および路面電車「ドバイトラム」の運行に関する事業権を取得し、同国道路交通局(RTA)との間で契約を締結することを発表した。MHIENGが海外における都市軌道交通の運行へ参画するのは今回が初だ。

ドバイメトロは2009年に開業した都市鉄道で、三菱重工業がリーダーを務めた5社のコンソーシアムは、2路線・計90kmのうち当初開業した約75kmの本線のEPC(設計・調達・建設)を請け負った。この鉄道は、ドバイ国際空港や主要地域、およびドバイ国際博覧会会場を結んでいる。一方、ドバイトラムは2014年に開業した路面電車で、マリーナ地区の計10.6kmを結んだ交通手段だ。



MHIENGはこれまで、カタール、フィリピンで都市軌道交通のシステムや車両の保守サービスを提供した。米国、シンガポールなどでは、国際空港内のコンコースを結ぶ電力駆動の全自動無人運転車両システム(APM:Automated People Mover)の運行・保守サービスを提供している。UAEでは2018年より、ドバイ国際空港内APMの運行・保守サービスを提供している。

今回の事業権契約では、都市軌道交通のシステムや車両を手掛けたMHIENG、および三菱商事の実績と、世界30都市での全自動無人運転のメトロとトラムを運行する公共交通事業の運営ノウハウを融合させ、ドバイ道路交通局と協力し運行・保守事業を進める。

今後、3社で事業会社「Keolis MHI Rail Management and Operation LLC」を設立し、現行の運行・保守事業者からの移管を経て、2021年9月から事業を開始する。契約期間は最長15年(9年プラスオプション最長6年)の予定だ。

MHIENGは、交通分野での新事業領域としてデジタル化・AI化技術による多様な製品や技術のシステム化を行い、ユーザーにとって付加価値の高い運行・保守サービスを提供し、事業権参入を含めたアフターサービス事業のさらなる展開を図ると述べている。

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