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大林組、道路・モビリティインフラ「e-MoRoad」実現のための実証実験開始

2022/9/30(金)

「e-MoRoad」
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株式会社大林組(以下、大林組)は、モビリティ変革に対応した未来社会における道路・モビリティインフラ「e-MoRoad(イーモロード)」を実現するための実証実験を、大林組技術研究所で開始した。9月26日付のプレスリリースで明かしている。

現在、CASEと呼ばれる車の電動化、ネットワーク通信および自動運転といった技術革新や、MaaSなどのモビリティ変革が進んでいる。一方で、それらを安全で便利に運用するためには街や道路のインフラ整備が必要だ。

同社は、創業以来、時代を担うインフラ構築を生業とし、常に時代の先を描き技術開発を図ることで、社会からの期待に応えてきた。今回、モビリティ変革の先にある未来社会を見据えるとともに、カーボンニュートラルやウェルビーイングといった社会課題解決に貢献する道路、モビリティインフラの在り方を「e-MoRoad」と名づけた。「e-MoRoad」は、EVの停止・走行中の給電や、ネットワークサービスを享受するための通信の確保も想定している。さらに、道路センシングによるデータ連携、多様なモビリティに乗り換えるためのポートなどを整備した、人やモノが自由で快適に移動できることを実現する新たなインフラだ。

また、同社は、「e-MoRoad」実現のため、自動車のメーカー、機器メーカー、国、地方自治体、および道路会社など、建設の枠を越えて企業や団体と連携する。そして、自動車走行中のネットワーク通信の確保や、停止・走行中のEVへの給電といった要素技術について開発と実証を開始した。

主な実施内容は、「走行中のEVに非接触給電する道路舗装技術」、「道路に電力・情報ネットワーク網を構築する技術」、「自動運転を支援する道路インフラ技術」、「MaaSシステムを運用する技術」の4つだ。

「走行中のEVに非接触給電する道路舗装技術」は、大林組と株式会社デンソーが共同で研究する。同研究の目的は、走行中のEVに給電することで、充電作業の削減や走行距離の延長、車載用蓄電池の小型化が実現し、EVの普及に貢献することだ。EV給電に必要なパネルを大林組が開発した繊維補強コンクリート「ユニバーサルクリート」で保護し、厚さ数cmの浅い埋設による給電効率の向上を実証する。

「道路に電力・情報ネットワーク網を構築する技術」は、大林組と古河電気工業株式会社が共同で研究する。この研究では、両社が共同開発した「雨水側溝兼用樹脂製トラフ」を使用する。雨水側溝とケーブル収納トラフを兼ねることにより、電源・制御・通信ケーブルネットワークの構築を低コストで実行可能になる。これにより、自動運転車の普及に伴う車対車、歩行者対車間の安全確保に貢献する。今後、雨水排水性や耐久性、施工性などの実証をしていく予定だ。

「自動運転を支援する道路インフラ技術」は、株式会社タジマモーターコーポレーション、名古屋大学、株式会社エクセイド、株式会社ダイヘンが研究する。同研究では、自動運転により正確な位置で走行・停止できることを活用し、道路から給電を行う際の効率的なルートや、停止位置の給電コイル面積を検証する。これにより、非接触給電システムのコスト低減を目指す。さらに、レベル3の自動運転システムと、停車中の非接触給電システムを組み合わせて、自動運転の特性の把握を含めて実証する。

「MaaSシステムを運用する技術」は、名古屋大学、一般社団法人ライフアンドモビリティが研究する。街全体で有用性を向上させるサービスの創出や、データ連携基盤の構築に向けて、自動運転車やキックボードなどのマイクロモビリティを統合し、利用予約や管理機能を有するMaaSシステムを実証する。

なお、大林組は、今後も「e-MoRoad」の実現をめざして、協業するパートナーを募り、より良い未来社会の構築を共創していくと述べている。



(出典:大林組 Webサイトより)

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