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富士通ら、交通空白解消に向け社会受容性モデルベースシミュレーション開発

2025/7/25(金)

「社会受容性モデルベースシミュレーション」概要

富士通と名古屋大学は7月24日、交通空白解消に向けた新たな交通サービスの定着を促すために、住民の利用意向に影響を及ぼすさまざまな心理的要因や、そこから生じる選択行動をシミュレーション可能にする、「社会受容性モデルベースシミュレーション」(略称、SAMSIM)の開発を発表した。

同技術の特長は、例えば広報活動などの利用者数向上のための施策が、住民の「便利そう」「使ってみたい」といった心理にどのような影響を与え、利用者数を向上させるかをシミュレーションして事前に予測できる点だ。

また、両者は、同技術の効果を検証するため、奈良県川西町と中央復建コンサルタンツが2023年度に実施した、予約型乗り合いタクシーサービスの実証実験の利用実績データを活用。さらに、予約型乗り合いタクシーの利用意向に影響を与える心理的要因を明らかにする48項目からなる大規模アンケートを新たに実施し、住民の約15%(約1200人)から回答を得た。そして、アンケートデータに基づき、住民の予約型乗り合いタクシーサービスの選択行動を再現する、「社会受容性モデルベースシミュレーション」のモデルを構築。過去の実証実験のデータを用いることで、構築したモデルが川西町における住民の予約型乗り合いタクシーサービスの利用者数の推移を、約90%の精度で再現できることを確認している。

なお、両者は、今後も実証実験を行い、2026年度を目途に、小規模な住民アンケートを行うだけで、新規交通サービスの定着を促す施策の導出が可能な技術の開発を目指す。また、今後モビリティ分野にくわえて、健康・医療・まちづくり・環境対策など、幅広い分野における公共サービスの設計へ同技術を応用し、デジタル技術と人文・社会科学を組み合わせたコンバージングテクノロジーにより、人々のウェルビーイングの向上に貢献すると述べている。

■奈良県川西町総合政策課課長 喜多勲氏のコメント
デジタルリハーサルに基づく交通政策の事前検討によって、複雑化する社会課題がある中で自治体による施策検討が容易になるため興味深く思います。



(出典:富士通 Webサイトより)

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