早稲田研究グループ、次世代住宅地モデル開発へ 環境配慮・低密ニーズに対応
2021/2/3(水)
早稲田大学総合研究機構 医学を基礎とするまちづくり研究所の山村 崇 氏(早稲田大学高等研究所講師)らの研究グループは2月2日、ポラス株式会社(以下、ポラス)との共同研究「自然との共生を実現する《Garden City型》次世代住宅地モデル開発」が、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「官民による若手研究者発掘支援事業」に採択されたことを発表した。
人口減少時代を迎えた住宅産業は、ライフスタイル提案型すなわち価値提案型産業への転換が迫られている。同時に、住宅・街区の省エネ化・低炭素化などを通して、日本全体のCO2排出量の16%を占める家庭での環境負荷低減を実現する、環境配慮型の住宅地像を提示することも喫緊の課題となっている。さらに昨今では、郊外住宅地の「低密・ゆとり」を積極的に評価する層も存在し、新型コロナウイルス感染拡大によりその存在感は高まり、新たなニーズに応えることも求められている現状がある。
この研究では、建築学・都市計画学に強みを持つ早稲田大学と、木材加工・木質化技術、地域密着のまちづくりに強みを持つポラスが協働し、両者の基礎技術を結集して、大都市圏郊外で現代的な生活ニーズに応えながら、人間居住と自然との共生を実現する「Garden City型」の次世代住宅地モデルを開発する。
研究実施期間は、2020年度〜2023年度の4年間を予定している。
Garden City型の次世代住宅地とは、通常の都市型住宅や郊外型住宅に対して、ICTを活用した新たな就業スタイルの普及(テレワーク、SOHOなど)を前提に、大都市圏外縁部の空間的ゆとりを生かし、現代的居住ニーズに応えつつ自然との共生を志向する新たな住宅地の型を提案するものだ。
早稲田大学とポラスは、この技術開発ならびにその後の事業化への取り組みを通じ、大都市圏郊外部の無秩序な宅地化に対抗する持続的地域運営のありかたと、住宅・街区の省エネ化・低炭素化によって環境負荷低減を実現する環境配慮型の住宅地像を提示することで、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。