日本郵便・JPロジスティクスがレベル4幹線物流の公道実証に参加
2024/12/17(火)
日本郵便と同社傘下のJPロジスティクスは12月12日、セイノーホールディングスとT2の2社が実施する自動運転トラック幹線輸送の実証実験に1月から参加すると発表した。
トラックドライバーの労働時間見直しに伴う輸送能力の低下(物流の2024年問題)が懸念される中、セイノーHD、T2の2社は、レベル4自動運転トラック幹線輸送の実現に向けて公道実証を開始すると24年7月に発表。セイノーHDは日本郵便と幹線輸送の共同運行に向けて業務提携していることから、日本郵便とJPロジ社が公道実証への参加を決めた。
実証では、共同運行を行うセイノーHD、日本郵便、JPロジと、自動運転トラックを開発するT2が協力。幹線輸送のノウハウと自動運転技術を掛け合わせることで、新たな輸送モデル創造を図る。4社は将来の事業化に向け、実証を通じて知見の獲得や改善点の洗い出しを行っていく。
日本郵便、JPロジの実証参加期間は25年1月から6月の半年間。東京~大阪間の幹線道路で自動運転の路線検証、共同輸送貨物の搭載検証を行う。実証は全車両にドライバーが乗車する形とする。25年にレベル2、27年にレベル4自動運転によるトラック幹線輸送サービスの開始を狙う。
▼参加者代表コメント▼
セイノーHD 執行役員 オープンイノベーション推進室室長 河合秀治氏
「2024年10月より開始したT2様との公道実証に、日本郵便様およびJPロジスティクス様にもご参加いただけることを大変嬉しく思います。当社では中長期の経営方針として『Team Green Logistics』のスローガンを掲げ、ロジスティクス・貸切・特積みの3つの領域を中心に他社連携を推進しております。今般の連携を通じて、ご参加の各社様と共に持続可能な物流の実現と社会課題の解決に取り組んでまいります」
日本郵便 常務執行役員 浅見加奈子氏
様々な物流課題がある中、2024年問題に伴うドライバー不足は特に深刻な社会問題となっています。弊社としても、課題解決の一端を担うべく、これまで幹線輸送の共同運行等に取り組んできました。今回はさらにその先を見据え、レベル4自動運転トラックによる幹線輸送の共同運行実現に向けた実証実験に参画いたします。この取り組みが今後の物流業界を変える一手となるよう、取り組んで参ります」
JPロジスティクス 代表取締役社長 安達章氏
業界全体の課題である労働力不足は1社での解決には限界があります。その中で、労働力負荷の相対的に大きい幹線において会社横断的に自動運転を試行していくことは、この課題解決への大きな前進であり、同時に業界全体の将来への持続性を支える一助になるものと考えております。少しでも早い実現に向け、弊社としても本実証実験に積極的に取り組んで参ります」
T2 代表取締役CEO 森本成城氏
「『日本の物流を共に支える』という大義に共感頂き、素晴らしいパートナー達と共に自動運転技術を活用した物流課題解決および未来の物流構築に向けたチャレンジができることを大変嬉しく思います。T2は多様なステークホルダーの方々と密に連携し、少子高齢化先進国における新たなソリューションの創出による日本の産業競争力の維持・強化に寄与すると共に、物流・運送業界の活性化・成長産業への更なる転換に向けて貢献し、持続可能な豊かな社会を次世代へ引き継ぐことを実現させたいと考えております。その為の重要なステップとして本実証を有意義なものとし、2025年7月のレベル2自動運転トラックでの幹線輸送サービス、そして2027年のレベル4自動運転トラックでの幹線輸送サービスのスタートに向けて尽力してまいります」