公益デジタルPF運営者を経産省初認定、電池データ、ウラノス連携推進
2024/9/3(火)
経済産業省は、一般社団法人自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センターを初の「公益デジタルプラットフォーム運営事業者」として認定したと9月2日、発表した。「欧州電池規則」が求める、自動車電池の原材料調達から処理まで全工程における温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント、CFP)表示などに対応し、業界を超えたデータやデジタル技術活用に生かす。
「公益デジタルプラットフォーム運営事業者」認定制度は、データ連携システムの運用・管理事業者に対して安全性・信頼性、事業安定性、相互運用性の基準を満たすと経産相が認定する制度。経産省などは官民による業界横断のデータ・システム連携の仕組み「ウラノス・エコシステム」を推進。その動きの中で、自動車メーカーや電池、自動車部品の業界団体が設立した自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター(略称ABtC)は、ウラノスのユースケース第1弾として、CFPの算出によるトレーサビリティ社会実装に取り組んできた。
製品のサプライチェーン全体におけるCFPなどの情報開示要求が欧州をはじめとした世界各国で強まっており、ABtCによると、データを連携する仕組みなしでは規制地域で「製品を販売できない」「部品や材料を調達できない」といった経営リスクに直面しかねない。欧州電池規則では25年にもCFP開示義務が始まる予定。
経産省は、今回の認定を通じてウラノスの一層の推進を期待するとしている。自動車電池にとどまらないさまざまな領域で、海外との相互運用も視野に、信頼性を確保しながらデータ共有する仕組みで社会・経済課題の解決を図る。