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メルセデス・ベンツEV普及を加速 自社充電を北米400カ所に【CES2023】

2023/1/10(火)

メルセデス・ベンツのCESブース

メルセデス・ベンツのCESブース

メルセデス・ベンツは1月5日、CES 2023会場にてEV充電施設400カ所の建設など北米を中心とする世界戦略を明らかにした。米国でのレベル3自動運転の認可取得や、コンテンツ大手と組んだインフォテインメント戦略も紹介した。
※特定条件下で自動運転システムが全ての運転タスクを実行するもの。ただし、システムの介入要求があれば運転者が適切に応答する必要がある。

大手と連携、10億ユーロで最大350kW充電器2500基

CES 2023会場にてマルクス・シェーファーCTO(最高技術責任者)が講演した。充電施設の建設は2023年内に北米で開始する。米国とカナダで27年末までに自社ブランドの充電施設を約400カ所設け、最大350kwの高出力充電器を計2500基置く。

拠点網づくりは米国の2社と提携する。米国で最大級という太陽光電池・充電施設の工事業者MN8 Energyと、米国、欧州にEV充電拠点を多数構える米ChargePoint社が提携相手となる。建設費用は10億ユーロほどを見込み、MN8 Energy社と折半出資する計画。
最大350kWで急速充電

最大350kWで急速充電


再生可能エネルギーを充電、世界1万基に

充電施設では再生可能エネルギー由来の電力を供給する。また、施設には太陽光発電の屋根を設けて照明や監視カメラに必要な電力をまかなうという。メルセデス・ベンツ以外のEVも充電可能だが、同社のEV利用者に対しては充電の予約といった優待を行う。
充電施設のイメージ

充電施設のイメージ


北米だけでなく欧州、中国ほか世界の主要市場で充電拠点網を建設する計画。2033年末までに充電器1万基超の規模に拡大すると見込んでいる。世界各地に充電拠点を構築することでEV普及に弾みをつける。

北米で自動車線変更、ネバダ、カリフォルニアでレベル3認可

自動運転関連では、年内に北米市場で投入予定の自動車線変更(ALC)について紹介した。メルセデス・ベンツ車にとって自動運転レベル2の大きな進歩に当たる機能がALCだという。

ALCは高速道路での車線変更、低速車追い越しを追従走行と自動ステアリング操作支援によって行う。また、高速道路でのジャンクション合流、一般道へ下りる際の車線変更も支援する。

ALC機能を利用した追い越しイメージ


さらに、米ネバダ州とカリフォルニア州にてメルセデス・ベンツのシステム「DRIVE PILOT」によるレベル3自動運転が認可される見通しと明かした。ネバダの交通当局による承認を受け、正式な認可が2週間以内に下りる予定。カリフォルニア州の認可も続く見込みという。なお、ドイツでは2022年5月に認可を受けている。

DRIVE PILOTの自動運転は、一定条件下において渋滞時の高速道路でシステムが運転を担当する。最高速度は法定の時速60㎞。メルセデス・ベンツはこの自動運転により、ドライバーは車載ディスプレイを使ってメールやウェブサイトを閲覧、映像コンテンツの視聴など、車内の時間を有効活用できるとしている。

そのほか、ボッシュと共同開発したレベル4無人駐車がドイツで認可を受けたことも紹介した。

変わる車内の過ごし方 4Dサウンドに没入

自動運転時代における車内の楽しみ方も拡充する。ソフトウエアの最高責任者マグナス エストベルク氏は「メルセデス・ベンツは複数のパートナーの協力を得て車内エンタメ空間の創造を追求している」と述べた。

アップルミュージック、ユニバーサル・ミュージック・グループ(以下、UMG)、ドルビー・ラボラトリーズ(以下、ドルビー)との提携を例に挙げ、「車内のサウンドにイノベーションを起こした」と強調。
車内で音と映像の興奮を生む

車内で音と映像の興奮を生む


「メルセデス・ベンツ車はアップルミュージックのコンテンツを同社とドルビーによる空間オーディオで楽しめる初の非アップル製品」で、車内での音質についてはUMGが「メルセデス・ベンツ音質保証」をした4Dサウンドに没入できるとアピールした。UMGはメルセデス・ベンツの工場がある独ジンデルフィンゲンにて車内で楽しむための楽曲ミキシングスタジオ設立も検討しているという。

エストベルク氏によると、「最高級車の『Sクラス』や『EQS』の4Dサウンドシステムは39のスピーカーと超大型スクリーンを備える。今日の車内エンタメは高級ステレオシステムをはるかに超えた」。

新マスコットも登場

また、米エンタメブランドSUPERPLASTICとのコラボレーションも会場にて発表。古くから人気のマスコット「メルセデス・ドッグ(Wackeldackel)」に着想を得た新キャラクター「Superdackel」とその短編アニメがお披露目された。
メルセデス・ドッグを現代的にアレンジ

メルセデス・ドッグを現代的にアレンジ


車載システム、アプリの開発を行う米ZYNC社とも協業を続けている。ドライブ中でも駐車時でも楽しめる車内エンタメを追求して協業を続ける。

※講演以外の画像はメルセデス・ベンツ提供

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