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トヨタ、デンヨーとFC電源車を共同開発 今月から実証運転を開始

2020/9/18(金)

デンヨートヨタ1

FC電源車(完成車両イメージ)

トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は17日、屋外用エンジン発電機・溶接機の製造メーカーであるデンヨー株式会社(以下、デンヨー)と、水素を使って発電する燃料電池電源車(以下、FC電源車)を共同開発し、今後、実証運転を通じて実用化に向けた取り組みを進めると発表した。トヨタにとって、FC電源車の開発は初となる。

この取り組みは環境省のCO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の採択を受けて実施している。

地球環境問題を経営の重要課題の一つとして位置づけて積極的な取り組みを進めている両社は、温暖化防止に向けたCO2排出量の削減や大気汚染防止のためには、商用車・産業車両の燃料電池化が必要だとしている。また、電動車が社会システムの中で提供できる重要な価値の一つとして、災害発生時や屋外イベントなどの場面において、必要な時に必要な場所で大量の電力を供給することができる機能が挙げられる。両社はこのような可能性をより一層追求するため、今回、環境性能に優れたFC電源車を共同で開発した。

現在使用されている電源車の多くは、動力源にディーゼルエンジンを用い、化石燃料をエネルギーとしているため、走行時・発電時に温室効果ガスのCO2や窒素酸化物(NOx)などの環境負荷物質を排出する。これに対しFC電源車は、動力源を燃料電池にすることにより環境負荷物質の排出がゼロになるとともに、連続約72時間の給電や発電の際に生成される水のシャワーなどへの活用が可能だ。

今回、共同開発したFC電源車は、トヨタの小型トラック「ダイナ」をベースに、動力源には燃料電池自動車(FCV)MIRAIに搭載されているFCシステムを活用し、電力供給のためにデンヨーが環境省補助事業により開発したFC専用給電機器を搭載している。また、長距離移動・長時間発電を可能とするように、水素を約65kg(水素タンク27本分)搭載している。

2020年9月から実証運転を行い、従来型のエンジン式発電機と比べて、さまざまな負荷機器への影響、CO2の排出削減量などFC電源車ならではの効果を検証するとのこと。

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