ドコモ、セルラーV2X活用可能な実証実験環境を提供開始 自動運転を検証
2021/11/17(水)
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、自動運転システムの研究開発を行う企業や団体に実証実験環境(千葉県柏市・柏の葉キャンパス駅周辺)の提供を開始する。11月15日付のプレスリリースで明かした。同環境の特徴は、5.9GHz帯に対応したセルラーV2Xを活用できることだ。
5.9GHz帯に対応したセルラーV2Xは、米国、中国、欧州でITS専用として割り当て・実用化が進む周波数帯だ。同環境は、5.9GHz帯に対応したセルラーV2Xを搭載した通信システムのほか、交差点や信号機・遮蔽(しゃへい)物を備えた広大なテストコースを備えている。さらに、ドコモは、柏の葉キャンパス駅周辺の自動運転用三次元地図データなども提供する。また、同社は、柏ITS推進協議会の協力を得ながら実証実験を開始する。同協議会には、コンチネンタル・オートモーティブ株式会社、株式会社ヴァレオジャパン、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、国立大学法人東京大学、学校法人同志社大学、日本信号株式会社、古河電気工業株式会社が参加している。実証実験に参加する企業や団体は、実証実験を行う車両や車両周辺のアプリケーション、および各種機器間を接続した際に得られる、セルラーV2Xによる通信データをドコモに提供する。
さらに、ドコモは、視界に無い交差点や信号機などの広域情報を取得することで渋滞や危険回避が可能かどうかなど、高度な自動運転を支援するサービスに関する検証を行う。総務省が取り組む「5.9GHz帯へのV2Xシステム導入に係る技術的検討」の事業として、それぞれの項目における考察や評価などを取りまとめ、総務省へ提出する予定だ。
なお、ドコモは、同環境の提供を通じ、自動運転社会の実現に向けたモビリティビジネスを展開するためのパートナーとの関係を深め、広げていく。そして、実証実験で得た知見やノウハウを生かし、5.9GHz帯セルラーV2Xに対応した安全性の高いネットワーク構築や、より高度な自動運転を支援するサービス提供に向けて取り組んでいくと述べている。
(出典:ドコモ Webサイトより)