ENEOSのEV関連取り組みまとめ【2023年7月~2024年7月】
2024/7/16(火)
ENEOSホールディングス株式会社(以下、ENEOS HD)や、ENEOS株式会社(以下、ENEOS)をはじめとする同グループ会社は、エネルギー方面からEV関連の取り組みも実施している。共用充電ステーション、EV向けバッテリー全自動交換ステーションといった新しいエネルギー供給インフラの実証実験も実施しており、充電の効率化を推進している。これらのインフラが整えば、物量業界やタクシー業界の電動化を助けるはずだ。今回の記事では、2023年7月~2024年7月に行われたENEOSグループ会社の行ったEV関連の取り組みについてまとめる。
SGムービング株式会社は2024年6月26日、ENEOSが2024年7月2日より開始する、EVトラックに利用可能な商用車向け共用充電ステーション実証実験に参画すると発表した。株式会社ENEOSウイングが運営する「新木場 TS」において、EVトラックにも利用可能な商用車向け共用充電ステーションの実証実験を開始する。物流業界が直面する諸問題の解決に対応するため、日本で初めて最大全長10mのEVトラックにも利用可能な共用充電ステーションを設置。この充電スペースでは、大型車両1台または全長5m以下の小型車両2台を同時に急速充電することが可能だ。
さらに、タブレット端末やPCを用いて事前予約制を利用することで、他の車両との充電時間が重なって待ち時間が発生することを防ぐ。物流業界が共同で実装実験に参画することで、EVトラックの普及拡大に貢献していくという。
ENEOS Power株式会社(以下、ENEOS Power)、三菱自動車工業株式会社(以下、三菱自動車)、Nature株式会社の3社は5月17日、岡山県倉敷市において、「おうち de ENEマネ(V1G)※」の実証開始合意を発表した。2024年度下期から開始する。
※ V1Gとは、電力系統から電動車への単方向の充電制御のこと。(プレスリリースより)
同実証の目的は、電気料金を最適化する自宅でのEVの充電時間を遠隔でコントロールすることにより電気料金を最適化することだ。ENEOSグループ、および三菱自動車の社員を対象に、社員が保有するEV、および充電器を使用して、自宅における充電時間を遠隔でコントロールする。具体的には、EVのコネクティッド技術を通じて、電池残量などの車両情報を制御システムへデータ連携し、電力の市場価格が安い時間帯に充電されるように、自宅の充電器へ充電時間等を指示する予定だ。
また、同実証では、国内初の取り組みとして、太陽光発電設備を設置している家庭において、EVのコネクティッド技術を通じた車両情報のデータ連携により 、コントロール可能な充電電力量を把握する。さらに、太陽光発電設備の自家消費最大化を実現する充電等のコントロールを行うという。なお、3社は、遠隔コントロール等に関する技術検証を実施するとともに、電力調達コストの削減による収益性について検証し、事業化に向けて検討を進めていくと述べている。
ENEOS Powerとオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(以下、OSS)は2024年6月4日、岡山県倉敷市においてEVの充放電時間を最適化する「どこか de ENEマネ」の実証を2024年度下期から開始することを合意した。この実証では、駐車中のEVおよびOSS製のV2X機器を使用し、目的地における充電時間と放電時間を遠隔で制御する。
具体的には、V2X機器経由にて取得した電池残量などの車両情報を基に、電力の価格が安い時間に充電、高い時間に放電されるようV2X機器へ充放電時間等を指示する。
また対象となるEVの駐車時間のデータと充放電制御結果のデータを収集し、VPP※リソースとしてEVの有効性を検証する。
※分散型エネルギーリソース(再生可能エネルギーなどの自家発電設備・蓄電池・電気自動車等)を一括で遠隔・統合制御し、あたかも一つの発電所のような機能を提供する仕組み。(プレスリリースより)
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