ホンダ、欧州初の電動バイク「WN7」発表 トルクは1000cc級、FUN領域に本格参入
2025/9/19(金)
ホンダは、欧州市場で初となる電動モーターサイクル「Honda WN7」を発表した。2050年のカーボンニュートラル実現に向けた戦略の一環で、これまでコミューター中心だった電動二輪車を、操る楽しさを追求するFUN領域にも本格的に拡大する。トルクは1000ccクラスの内燃機関車に匹敵し、急速充電にも対応したネイキッドモデルとなる。
ホンダは、2040年代に全ての二輪製品でのカーボンニュートラル実現を目標に掲げており、2024年を「電動二輪車のグローバル展開元年」と位置付けている。今回発表された「WN7」は、その戦略を象徴するモデルであり、EICMA 2024(ミラノショー)で注目を集めたコンセプトモデル「EV Fun Concept」の量産版である。
モデル名の「WN7」は、開発コンセプトである「Be the Wind(風になる)」のW、「Naked(ネイキッド)」スタイルのN、そして出力クラスを示す7を組み合わせたものだ。その名の通り、EVならではの静かで滑らかな乗り味に加え、75年以上にわたるホンダの二輪車開発の知見を注ぎ込み、ライダーが意のままに操る楽しさと走る喜びを高次元で両立させている。
パワートレインの性能は、FUN領域のモデルとして十分なスペックを誇る。モーターの出力は600ccクラスの内燃機関(ICE)車に、そして最大トルクは1000ccクラスのICE車に匹敵する力強さを発揮する。
バッテリーは固定式のリチウムイオンバッテリーを採用し、航続距離は130km以上を想定している。充電システムは、欧州で普及するCCS2規格に対応。急速充電を利用すれば、30分でバッテリー残量20%から80%までの充電が可能だ。また、家庭用の200V電源による普通充電にも対応し、約3時間以内で満充電できるため、日常的な利便性も確保されている。
車体はEVならではのスリムで未来的なデザインを実現。インストルメントパネルには5インチのTFTスクリーンを採用し、スマートフォン連携機能「Honda RoadSync」にも対応するなど、先進性も備える。
ホンダは、今回の「WN7」の投入を皮切りに、コミューターからFUNモデルまで電動二輪車のフルラインアップ化を進め、多様化するユーザーのニーズに応えていくとしている。