ホンダ ポケモン「コライドン」モビリティ公開 今夏に走行も
2025/3/14(金)
ホンダは、株式会社ポケモン監修の下、作中に登場する伝説のポケモン「コライドン」をモチーフにした二輪モビリティを製作し、3月7日に試作機を報道陣に公開した。開発を進め、今夏までに走行可能な状態での公開を目指すという。
コライドンは2022年に発売されたゲーム「ポケットモンスター スカーレット」に登場する「伝説のポケモン」で、主人公を乗せて高速で走り抜けたり泳いだり、風に乗って飛んだりする。
7日に「ホンダコライドンプロジェクト」の発表会が開催され、ゲーム内の設定と同じ全長2.5mのモビリティが披露された。
- プロジェクトへの思いを語る坂本順一氏
- 開発のこだわりを話す萩原和也氏
「トヨタミライドン」に感化されプロジェクトが始動
プロジェクト責任者である二輪事業企画部の坂本順一氏が、2024年にトヨタ技術会が製作した「トヨタミライドン(2022年発売のポケットモンスター バイオレットに登場するミライドンをモビリティ化)」とともに発表したメッセージ『大人の本気が子供の夢になる』に感化されたことをきっかけとし、同年夏にプロジェクトを始動。コライドンの配色が同社のコーポレートカラーである「ホンダトリコロールカラー(赤青白)」と一致していることからも「ホンダとコライドンの親和性を感じた」と話す。
「ホンダだからこそ」のコライドンを製作するため、他部署からもメンバーを募ったところ多くの社員が立候補。パワープロダクツ事業やマリン事業、先進技術研究所などから約40人がプロジェクトに参加した。
製作にあたり、二輪では通常、大人をターゲットに設定することが多いが、コライドンプロジェクトは子供が対象となる。プロジェクト内で議論を重ね、「ワクワクとモノづくりの楽しさを伝える」という方向性を設定。
「Hondaの本気が子供の夢になる」をスローガンに、外観をはじめとした完成度にこだわりながら「ホンダらしさ」である先進技術を搭載したモビリティを作り上げた。
カラーリングとテクスチャにこだわり
外観のこだわりの一つがカラーリングだ。従来の塗料ではコライドンの色を再現できないと判断し、「1から新たな色をつくった」と開発責任者である二輪事業企画部の萩原和也氏は語る。加えて、より生き生きとした外観になるよう、部位ごとに異なる質感に仕上げることで生き物らしさを表現した。また、翼はゲーム同様に動く際の「なびき」が表現できるよう軟質材のウレタンを採用するなど素材の選定にも検討を重ねた。- 手作業でグラデーションを出した
- ホンダコライドンの前足。肌の質感にもこだわった。
Honda Riding Assistの技術を活用
「ホンダらしさ」は世界最大規模のテクノロジーイベントCES(2017)で「Honda Riding Assist」として発表したバランス制御技術を取り入れたことだ。自立するバイクの技術で、ホンダコライドンでは外観のイメージを損なわないよう、コライドンの浮き袋に見立てたコンパクトなタイヤを入れ、自立するモビリティを実現。また、コライドンの手足の動きを再現できるよう、ASIMOをはじめとするヒューマノイドロボット研究の技術が用いられている。今夏に走行も
現在は走行機能の実装に向け、シミュレーションを重ね開発を進めている。今夏までに走行可能な状態での公開を目指す。電気で駆動し、子どもを乗せて二輪で走行する予定。走行速度は時速10~15kmを想定する。萩原氏は「チーム一丸となって開発を進め、一日でも早く動くコライドンを披露したい」と意気込んだ。坂本氏は、プロジェクトのきっかけになったトヨタミライドンに触れ、「個人的な思いではあるがトヨタミライドンとホンダコライドンが並んだ姿を見たい」と話しつつ、「今回のプロジェクトを通して日本のモノづくりで子どもに夢を与えたいという目標ができた。夏までに動く姿を見せたい」と力強く語った。ホンダコライドンは3月7日から9日にかけて、東京都港区の本社内「Hondaウエルカムプラザ青山」で一般公開された。ホンダによると3日間で8433人が来場したという。

©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
TM,®,character names are trademarks of Nintendo
一般公開のようす
(写真提供:ホンダ)
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