同事業では、伊藤忠商事が展開する商用EVの退役蓄電池をリユースした大型蓄電システムを活用する(定格出力1.9MW、定格容量6.0MWh)。伊藤忠商事は、同事業でリユース蓄電池を活用することで、蓄電池製造時のCO₂排出と廃棄費用の削減、レアメタルなどの希少資源の有効利用に貢献するという。また、同事業では、大型蓄電システムを3つの電力市場(卸電力市場、需給調整市場、容量市場)で活用することで、日本の電力市場の安定化に資する運用を行う予定だ。

また、伊藤忠商事は、豊岡中核工業団地の入居企業各社の建物の屋根に設置する太陽光発電設備(発電出力計2.2MW)で発電された電力を各社に供給するPPA事業も展開する。工業団地内の発電電力が余剰となる場合、伊藤忠商事グループのアイ・グリッド・ソリューションズが買い取り、周辺地域に電力供給を行う。これにより、より効率的な再生可能エネルギーの普及拡大に貢献する。

さらに、同社は、災害等で電力供給が停止するような非常時に、大型蓄電池と太陽光発電設備を連携させ、工業団地内の各企業や行政指定避難場所等へ電力を分配する。これにより、電力の自給自足が可能なマイクログリッドを構築する。同事業は、経済産業省の「令和4年度　地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業費補助金(地域マイクログリッド構築支援事業のうち、地域マイクログリッド構築事業)」を活用したものだ。

なお、同社は、今回の取り組みを通じて蓄電所事業やマイクログリッド事業の知見を高め、国内電力市場での効率的かつ安定した電力供給モデルを実現する。そして、分散電源を核とした脱炭素社会実現に向けて貢献すると述べている。

(出典：伊藤忠商事 Webサイトより)