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廃車で被災地支援、200台集め800万円確保をめざす

2024/12/25(水)

宮城県石巻市を拠点とする一般社団法人日本カーシェアリング協会は12月1日、全国から廃車の寄付を募る新プロジェクト「廃車で被災地応援・社会貢献プロジェクト」を開始した。来年2月末までの3カ月間で200台の車両提供を目標に掲げ、廃車・リサイクル処理によって得た収益を、被災地支援などの活動資金に充てる。

車両の貸し出しは7倍に。災害多発で急増するニーズ

同協会は、2011年の東日本大震災を機に設立。甚大な被害を受けた同地を中心に、寄付で集めた車両を提供して、仮設住宅の住民による共同利用を支援する「コミュニティ・カーシェアリング」を行ってきた。設立13年で26の災害に出動し、7,800件以上の無料の車両貸し出しを実施してきた実績がある。

日本カーシェアリングがこれまでに行った支援の実績

今年は、能登半島地震や宮崎県の豪雨災害に対する支援活動などを実施。年間の車両貸し出し件数は、前年比7倍超となる4,900件に達している。現在も、移動手段を失い、支援を必要とする人々が多数存在するという。

廃車を通じた支援、1台で約4万円の寄付に

今回のプロジェクトは、廃車予定の車両を被災地支援へと活用するもの。寄付された車両は協会提携の自動車リサイクル会社で処理され、取り出された部品や資源から得られる収益を寄付金として活用する。1台あたりの寄付金額は過去実績から約4万円を見込んでおり、200台が集まれば総額800万円の活動資金となる計算だ。
廃⾞・リサイクルによる寄付の流れ

廃⾞・リサイクルによる寄付の流れ


寄付の対象となるのは、車検切れや動かない車を含む全ての車両。老朽化や故障により廃車を検討している所有者にとっては、新たな選択肢をなり得る。寄付の手続きは、協会への問い合わせから始まり、必要書類の準備、引き取り日の調整を経て、指定場所での引き渡しとなる。

これまでの実績と、今後の方針

同協会によると、今年1月から3月に実施した能登半島地震への支援を目的に実施した同様の取り組みでは、全国から275台もの寄付が寄せられた。これまでの累計では、個人・法人合わせて471台の車両が寄付されている。

集まった寄付金は、被災地で車両を無料で貸し出す事業や、経済的な理由で車を保有できない生活困窮者向けの「生活お助けカーリース」プログラムの運営に活用される。具体的には、車両の維持費や運搬費、拠点設置費、保険料、人件費などの事業費および管理費に充当される予定だ。

【寄付・問い合わせ先】

・フォーム:https://www.japan-csa.org/blog/cardonation
・電話:050-5482-3178(平日9:00-18:00)

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