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鹿島建設ら、スマートロード開発に着手 光ファイバセンサで位置確認

2023/10/12(木)

鹿島建設株式会社(以下、鹿島建設)らは10月10日、センシング機能を有する道路、スマートロード※の開発に着手したと発表。同社技術研究所敷地内に試験舗装フィールドを構築し、道路上の歩行者や自転車などの移動体の位置を、光ファイバセンサで検知したデータにより自動追跡できることを確認したという。

※ ICT・DXによって、安全・安心な通行確保、効率的な交通管制など高度利用が実現された道路(プレスリリースより)

今回の取り組みは、鹿島建設、トヨタ自動車株式会社、株式会社NIPPO、東京都市大学、カリフォルニア大学バークレー校と共同で実施したものだ。光ファイバセンサを使うことで、30km以上にも及ぶ距離にわたって、どこに振動やひずみ(伸縮)が発生しているか、その位置と大きさを捉えることができるという。

今回の取り組みでは、幅10m、長さ20mの試験フィールドにおいて、5本の同センサを、それぞれ異なる深さに埋め込んだ。5者は、2022年4月から1年間、外気温など環境条件が変化するなかでデータを蓄積し、同センサで検知した歩行者や自転車からの振動データを解析。その結果、その位置や進行方向を自動で追跡できることを確認している。このことから、同技術を発展させることにより、見通しの悪い交差点や悪天候下においても歩行者や車両などをあらかじめ認識する安全性の高いモビリティサービスの構築が可能となる。そして、自動運転社会の実現に貢献することが期待できる。

また、5者は、同フィールドを活用し、歩行者や自転車の振動データのパターンの解析にAI技術を活用するなどして、複数の異なる移動体の識別や追跡技術を開発している。さらに、深さによって異なる振動データを利用して、移動体から同センサへの振動伝播を解析する技術を構築する。そして、最適な同センサの配置や本数などの計画、ならびにセンシングに適した舗装に関する技術の検討も進めているという。

なお、鹿島建設は、橋梁やトンネルなどのインフラへの光ファイバセンサの適用を通じて、インフラの新たな価値の創出を目指しているという。例えば、構造物に生じる変形などの状況の評価、利用状況の把握、センシングデータに基づく利用者へのリアルタイムなサービス提供などだ。くわえて、同社は、今回の取り組みにおいても、道路に埋め込まれた同センサを活用し、舗装や地盤などの構造を評価する。さらに、より安全なモビリティサービスを提供できる道路インフラとしてスマートロードの開発を進めていくと述べている。

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