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京セラ、車載ナイトビジョンシステム開発 夜間等でも物体を高精度に認識

2022/10/18(火)

車載ナイトビジョンシステム
(イメージ)

京セラ株式会社(以下、京セラ)は、夜間、雨、霧など視界が悪い環境下でも危険要因になる可能性のある物体を高精度に認識することで安全な運転を支援する車載ナイトビジョンシステムを開発した。10月11日付のプレスリリースで明かした。白色光と近赤外光をひとつの素子(SMD)に組み込んだヘッドライトにおいて、世界初の開発だ。(2022年9月京セラ調べ)

交通事故削減はもちろん、自動運転の実現に向け、車の危険検知機能はより高度なものが求められている。車載ナイトビジョンシステムの世界市場は、2020年に約21億7000万米ドル※、2027年までの成長率は16.5%以上※と予測されている。

※ REPORTOCEANによる調査「Global Automotive Night Vision System Market by Technology Type」(2021年11月3日)より

同システムでは、白色光と近赤外光を一体化し、同じ光軸から発光可能なヘッドライト(White-IR照明)を採用した。これにより、光の当たり方に差が出ず、経年変化も生じにくいため、より精度の高い認識結果の表示を可能にした。

この一体型ヘッドライトは、KYOCERA SLD Laser, Inc.が独自開発した高輝度・高効率かつ小型パッケージのGaN製白色光レーザーを搭載することにより実現した。ヘッドライト内の白色光をロービーム、近赤外光をハイビームなど、人や物に応じて配光を変化させることができるため、まぶしさを抑えながらセンシングできる。また、一体型によりヘッドライトの省スペース化と車のデザインの自由度を提供する。

さらに、車両に搭載したRGB-IRセンサには、同社の先進技術研究所で独自に開発したフュージョン認識AI技術を採用した。同AI技術では、可視光画像と近赤外光画像の両方から信頼性の高い領域を組み合わせて判断することを可能にしている。これにより、視界の悪い環境下でも高精度に歩行者や車両を検出し、危険要因の検知と運転者への通知を行う。

くわえて、今回開発した手法では、可視光の学習用画像から近赤外光の学習用画像を自動生成する学習データ生成AI技術を確立した。これにより、大幅な学習コストの削減と高精度な認識を両立する。

なお、同社は、今回のシステムを2027年以降に事業化することを目指し、研究開発を進めていくという。今後も、路側機(Smart RSU)などとの連携によるインフラ側での交通環境の見守りシステムや、夜間の警備や配送などにおける小型低速モビリティへの応用など、安心・安全な交通社会の実現へ貢献すると述べている。





(出典:京セラ Webサイトより)

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