九州産交バス、熊本県初の大型路線EVバスを導入 日野自製、空港リムジンで運行へ
2025/11/20(木)
九州産交バスは、熊本県で初となる大型路線EVバスとして、日野自動車製の「日野ブルーリボン Z EV」を2台導入することを決定した。これは日野自動車にとってもEVバスの国内初納車となる。2026年3月から阿蘇くまもと空港と熊本市内を結ぶ空港リムジンバスとして運行を開始する予定で、脱炭素社会の実現と地域防災機能の強化に貢献す
今回のEVバス導入は、九州産交バス、熊本日野自動車、九州電力、芙蓉オートリースの4社連携によるものだ。九州電力と芙蓉オートリースが展開する、車両導入からエネルギー管理までを月額定額制で包括的に支援する「九電でんきバスサービス」を活用して実現した。
導入される「日野ブルーリボン Z EV」は、乗車定員65名の大型路線バス。最大の特徴は、車内最前部から最後部まで段差のないバリアフリーの「フルフラットフロア」を実現している点だ。これにより、子どもから高齢者、車いす利用者まで、誰もが安全かつ快適に利用できる。
運行を支える充電設備として、九州産交バスの営業所には、2台が同時充電可能な最大出力120kWの急速充電器が1台設置される。充電マネジメントシステムにより、運行スケジュールに応じた最適な充電計画を自動で作成。電力コストを抑えながら、バッテリーの長寿命化にも貢献する。
また、このEVバスは単なる移動手段に留まらない。大容量バッテリーを搭載していることから、「走る蓄電池」としての役割も期待されている。災害などによる停電時には、避難所や地域の施設へ電力を供給する緊急電源として活用できるため、地域の防災機能強化にもつながる。
九州産交バスは、空港リムジンバスという多くの人が利用する公共交通に先進的なEVバスを導入することで、地域のEVシフトを加速させるモデルケースとしたい考えだ。4社は今後も連携し、環境に優しく、災害にも強い持続可能な交通インフラの構築を目指すとしている。







