自動運転を必要とするコミュニティの動きとは? NPO法人 みんなの集落研究所
2017/11/28(火)
単独世帯化する高齢者
岡山県ではさらに、世帯の中での高齢者の一人暮らしが多くなっています。一般世帯における家族類型の中で65歳を超えた高齢者の場合、ご夫婦が一緒に暮らしている世帯のほうが多いのが当然だったのですが、これからは65歳以上の高齢者といえば一人暮らしが当たり前という状態になっていきます。また、岡山県警の発表によると、高齢者の免許保有率は50%で、特に女性は30%となっています。一人暮らしのおばあちゃんが免許もなく、かつ買い物は93%が自家用車で行っていたのが困難な状況となっています。
われわれは実際に移動の状況の調査を行っていますが、移動手段の27%が自家用車、32%が軽トラック、残りほとんどが徒歩です。コミュニティバスも用意されていますが、1%未満であり、公共交通機関はほとんど使われていない状況です。
状況の打開のため小型モビリティ・自動運転の導入を検討
仕事の不足を補うこと、買い物や通勤通学の課題を解決すること、棚田作業の負担軽減のため、解決策を考えているところです。まずはヒアリング調査を行い、このような方々がどこで、家族とどれぐらいの距離で生活しているのかということや、1日の生活の流れを確認しています。それをもとに課題を整理していって解決策を見出すことをしています。
その一環として、電気自動車のコムスをそれぞれに貸し出しすることを検討しています。多くは70代の高齢者の方に使用していただき、日々の生活の中でどう使われるのか、一台一台にGPSを付けて動きをトレースし調査しています。
また、それに加えて地域の中で新聞発行をしたりサロンみたいなことをして、地域の人たちで解決策を考えることをしています。
モビリティの活用の一つとして、上山集落の上にある温泉の施設から街までの廃線になったバスを復活できないかと考えています。福祉施設を温泉の近くに集めまちとの循環をできるようにして、高齢者だけでなく、学校へ通う手段としてもらうことで、地域の人たちの暮らしを少しでも改善できたらと思っています。
ここに自動運転を導入しようと考えています。現在は上山地区のマップ化をしようとしています。全体のマップをつくり、道などの移動データをとることっで自動運転につなげていけないかと思っています。
この地域に住んでいる160人ほどの移動の基本的なパターンはだいたい見えてきていますので、あとは地理的なデータを取ることで最適な移動経路を設定できるのではないかと考えています。課題を抱える側として、この地域でいろいろなことにトライしていきたいと考えています。
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