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三菱重工ら、新東名高速道路一部区間で路車間通信の実証実験参画

2022/10/17(月)

三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)ら3社は、「E1A新東名高速道路」の一部区間で2023年度に実施が予定されている路車間通信(V2I)の実証実験に参画する。10月5日付のプレスリリースで明かした。

同実証実験は、三菱重工、三菱重工グループの三菱重工機械システム株式会社(以下、MHI-MS)、三菱重工エンジニアリング株式会社(以下、MHIENG)の3社で実施する。事業名は「高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験」だ。中日本高速道路株式会社(以下、NEXCO中日本)が建設している「E1A新東名高速道路」で実施する。

同事象は、MHI-MSと、株式会社Spectee(スペクティ)が、事業を主催するNEXCO中日本の公募に共同応募し採用されたものだ。未供用区間である神奈川県の新秦野ICから静岡県の新御殿場ICまでのうち、静岡県内の約4kmを使って自動運転社会の実現に向けた実証実験を実施する。

具体的には、自動運転車両の車載センサーでは検知できない前方の「先読み情報」をV2Iによって自動運転車両に配信する。これにより、「路上障害情報の後続車への提供」「路面状況や走行環境に応じた最適な速度情報等の提供」を行う。ほかにも、自動運転車による「追随走行」を成立させる情報を提供する「目的地別の追随走行支援」を検証する予定だ。

「先読み情報」の後続車配信は、早期に危険を把握することで余裕を持った回避行動を可能とし、交通事故低減に寄与する。また、「追随走行」は、V2Iによるマッチング支援でその可用性が高まる。

これらの技術は、コネクテッドカーの普及率・通行車両に占める混入率が低い時点でも、V2Iで得られた車両運行情報はリアルタイム性の高い道路交通情報・安全情報に活用できる。そのため、交通事故の低減や道路運営の高度化という、通行する全ての車両の利益につながるものとして期待されている。

また、三菱重工グループは、今回の検証に、MHI-MSの道路交通におけるセンサー/通信技術や、鉄道システムの構築実績があるMHIENGの知見などを活用する予定だ。

三菱重工グループは、2021事業計画の成長戦略の一環として、カーボンニュートラル社会の実現に向けた「社会インフラのスマート化」によるソリューションビジネスの開拓に取り組んでいる。同プロジェクトは、「CASE化を支えるインフラ」をテーマとするさまざまな取り組みの一つに相当する。

同グループは、今回の実証実験への参画を通じ、交通関連分野のインフラ整備などで長年培ってきたグループの総合力を発揮し、AI・デジタル化の活用による自動運転社会の実現を目指していくと述べている。

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