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三菱重工ら、車両搬送用AGVを活用した自動バレーパーキング実証試験開始

2022/6/14(火)

Stanley Robotics社製
AGVロボット”Stan”

三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)と三菱重工機械システム株式会社は、フランスのスタンレーロボティクス社(以下、SR社)の車両搬送用AGVロボット「Stan」を用いた、自動バレーパーキングの実証試験を開始する。6月13日付のプレスリリースで明かした。

SR社は、フランス・パリに本社を置く2015年創業のベンチャー企業で、ハードウエアとソフトウエアを組み合わせた屋外物流の新たなソリューションを提供している。自律して自動車を持ち上げ・搬送するロボットと、駐車状況を高度に管理可能なソフトウエア技術を駆使した自動バレーパーキングサービスを世界に先駆けて展開中だ。これらを活用し、ロボティクスによる屋外物流の劇的な変革をもたらすべく事業に取り組んでいる。

「Stan」は、車両の長さに合わせて自動調整するプラットフォームが車両下部に潜り込み、4輪を持ち上げ搬送するAGV(Automated Guided Vehicle)ロボットで、屋内外・雨天時の搬送にも対応する。2018年にフランス・リヨン空港の駐車場で初めて商業運転を開始、その後、イギリス・ガトウィック空港駐車場でもサービス導入されている。

三菱重工グループは、自動バレーパーキング、完成車自動搬送サービスの国内展開を目指している。これまでにも、SR社との協業の下、2021年10月から三菱重工施設内での実証試験を進めてきた。商業施設駐車場内での実証試験を通じて得られたデータを基に、同サービスの国内事業化へ向けた取り組みを一層加速する。

今回の実証試験では、三菱地所グループの協力の下、三菱地所・サイモン株式会社が開発・運営するアウトレットモール「酒々井プレミアム・アウトレット」(千葉県印旛郡)の関係者駐車場を利用する。実環境に近い形でAGVロボットによる車両の自動搬送実証を実施し、搬送性能の検証、利用満足度の評価を行う。

AGVロボットによる自動バレーパーキングのコンセプトは、入庫、自動搬送、出庫予約、出庫の4点だ。入庫に関しては、施設近接に設けられたバースに駐車するだけで完了する。そのため、雨の中や重い荷物を持ったまま遠い駐車場まで歩く、駐車スペースを探すといった煩わしさから解放される。

また、AGVロボットはロボット駐車エリアまで自動搬送を行うことにより、限られた駐車エリアを効率的に利用し、収容効率をアップする。さらに、区画された駐車エリア内に保管することで、駐車場内の事故や車上荒らしを防止する。

出庫予約は、帰る際にスマートフォンアプリで可能だ。予約時間に合わせて、車両をバースまで自動搬送するという仕組みだ。ユーザーは、搬送状況をアプリで確認、出庫までの時間を買い物、食事などに有効活用できる。さらに、車両はバースまで搬送されるため、ユーザーは待ち時間なく広々としたバース内で荷物を積み込み、ストレスのない快適な出庫が可能だ。

三菱重工グループは、2021事業計画の成長戦略の一環として、カーボンニュートラル社会の実現に向けた「社会インフラのスマート化」によるソリューションビジネスの開拓に取り組んでいる。今回のプロジェクトは、「CASE化を支えるインフラ」をテーマとするさまざまな取り組みの1つに相当する。なお、三菱重工グループは、AGVロボットによる自動バレーパーキングサービスを商業施設、大型複合ビル、テーマパーク、空港などの駐車場にいち早く提供する。これにより、安全で快適かつサステナブルな社会の実現に貢献すると述べている。





(出典:三菱重工 プレスリリースより)

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