三菱オートリースとAAKEL、EVスマート充電サービスの実証実験開始
2022/8/4(木)
三菱オートリース株式会社(以下、三菱オートリース)とアークエルテクノロジーズ株式会社(以下、AAKEL)は、EVスマート充電サービスの実証実験を開始した。8月2日付のプレスリリースで明かしている。
日本政府は、2020年10月に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を2050年までに実現することを宣言し、「グリーン成長戦略」を策定した。その取り組みの一つとして、EVの普及を推進している。一方で、EVの導入にあたっては充電設備の設置や契約電力の確認、充電時間の考慮等が必要になる。AAKELは「デジタルイノベーションで脱炭素化社会を実現する」を目標に掲げ、気候変動問題の解決とビジネスとの両立を目指し、事業展開する福岡発のクライメートテック企業だ。企業等が複数台のEVを所有し充電する際、系統の制約により一度に充電できる電力量が建物ごとに決まっている等、EV充電マネジメントを中心とした課題がある。同社は、そうした課題の解決に向け、EVの運行スケジュール等を考慮し複数拠点・複数台のEV充電最適制御が可能なシステムを開発した。
三菱オートリースは、カーボンニュートラルの実現に貢献するため、EVを含む環境対応車(エコカー)リースや高機能なモビリティソリューションの提供に積極的に取り組んでいる。特に、EVリースにおいては、車両の調達のみならず、充電機設置・エネルギーマネジメント・運行管理等をワンストップで提供できる商品・サービスを開発・検討中だ。
同実証実験では、EV運行、充電器、電力の3点を検証する。EV運行では、三菱オートリースが所有する複数台のEV、および充電器の活用を検証する。このほかにも、EV運行予定に応じた充電実績や、EV運行実績に対する充電量による影響(充電不足による外部充電の有無を含む)も検証予定だ。
充電器関連では、EV充電電流値制御の機能や複数プロトコル制御の機能の検証を行う。電力に関する検証では、EV充電器の台数や運行予定による電力負荷実績を検証するほか、季節や車種ごとの電費、EV充電時におけるビル建物側への影響、EV充電コストを把握する予定だ。
なお、両社は、同実証実験を通じて、車両のSoC(State of Charge)や契約電力に応じ、充電タイミングや充電出力を自動で調整できる仕組みを構築する。これにより、EV導入の推進に取り組むと述べている。
▼関係者のコメント
■三菱オートリース 執行役員 未来推進室長 大野 哲郎氏のコメント
当社は2009年のi-MiEV発売時より業界のパイオニアとしてEVの普及に尽力しています。10年超にわたり蓄積したEV関連の知見を生かし、お客様がEV導入時に直面する課題に対し最適なソリューションを提供してまいります。
今般の協業のみならず、「ヒトとモノの移動を支えるモビリティサービス企業への進化」を目指し、フリートマネジメントやサステナビリティに資するさまざまなサービスを構築し、お客様の利便性の向上、業務の効率化や働き方改革に貢献してまいります。
■AAKEL 代表取締役社長 宮脇 良二氏のコメント
EVシフトが世界で進むなか、日本も遅れずにEVの導入を加速させなければなりません。一方で、前提となるEV充電器の普及に向けては、日本ならではの障壁も多くなかなか進まない現状があります。加えて、EV充電は再エネ由来の電力でなければ意味がありません。
弊社はそれらの課題を解決すべく、IoTと機械学習を活用した仕組みを開発しました。
三菱オートリース様と共にそれらの仕組みを実証し、我が国のEV普及に貢献できることを楽しみにしております。
(出典:三菱オートリース Webサイトより)