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西鉄、自動運転バスの実証を北九州で開始 信号機連携、AI危険予測なども検証

2020/10/9(金)

北九州空港連絡橋

北九州空港連絡橋
(写真: Adobe Stockより)

西日本鉄道(以下、西鉄)とグループ企業の西鉄バス北九州は、10月22日から北九州エリアで中型自動運転バスの実証実験を行うと発表した。自動運転システムの検証のほか、信号情報との連携やAIによる危険予測など、安全性向上に向けた最新システムの検証なども行う。

実証実験は10月22日から11月29日にかけてを行う。JR朽網駅から北九州空港までの約10.5kmの区間を運行し、途中でトヨタ九州苅田工場前にも停車する。

車両は産業技術総合研究所(産総研)が開発した中型サイズの自動運転バスを用いる。ベース車両は定員56 人(座席28席)の中型バス、いすゞ自動車の「エルガミオ」。



今回の実証では、「交差点の安全性」「走行の安定性」を高めるために新たな取り組みを行う。

「交差点の安全性」を高めるため、運行区間のすべての信号(計10カ所)に「信号情報提供システム」を導入し、自動運転バスと連携する。10kmを超える全運行区間において信号情報と連携する実証実験としては日本最長距離になる。

さらに、見通しが悪い交差点(1カ所)に「危険情報提供システム」を導入。カメラ等複数のセンサーを活用し、AIが画像処理と将来予測を行うことで、交差点での接触事故を防止し円滑な自動走行を支援する。西鉄によると、このシステムを公道で実験するのは日本初とのこと。

そのほか、6カ所の信号でクラウドを介さず信号機側と車両側で直接通信を行う新たな方式(I2VP2P)を採用し、信号情報伝達時間の短縮を図る。こちらも公道での実験は日本初だ。

「走行の安定性」を高めるために、GPS電波が入りにくくなる区間(約1.3km)に「磁気マーカー」を埋設する。これにより車両位置認識精度を向上させ、自動走行を支援する。

また、より多くの試乗体験者を募るため、運行日数の拡大と増便、途中停車するバス停の追加も行う。さらに、アンケート調査は試乗体験者だけでなく地域住民も対象に実施し、自動運転バスの社会受容性の検証と市民目線での課題の把握を行う方針だ。

西鉄が発表した協業パートナーには、NEC、NTTデータ、BOLDY(旧社名: SBドライブ)、損害保険ジャパン、SOMPOリスクマネジメント、ブリヂストンタイヤソリューションジャパンの名前が挙がっている(順不同)。

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