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日産ら、V2X・EV・エレベーターの第2弾実証で約15時間稼働に成功

2023/4/14(金)

実証の様子

株式会社日立ビルシステム(以下、日立ビルシステム)と日産自動車株式会社(以下、日産)は、「日産サクラ」のバッテリーからの給電で、日立標準型エレベーター「アーバンエース HF」を稼働させる実証実験を実施した。4月12日付のプレスリリースで明かしている。

昨今、自然災害が頻発する中で、その影響で停電が発生した際にも、社会生活を継続できるようにするための対策に注目が集まっている。高層ビル・マンションなどにおいては、停電時にエレベーターなどの共用部設備が使用できなくなる事態を回避するため、非常時電源として蓄電池などを整備する動きが進んでいる。しかし、これらの取り組みでは導入コストなどが課題となっている。

このような背景の下、日立ビルシステムは、電気自動車の普及により、ビルの非常時電源として活用できる可能性が広がっていくことを見据えている。そして、停電時に、EVと建物をつなぐV2X技術により、EVからエレベーターなどのビル設備に給電を行い、継続利用を可能とするシステムを開発し、実用化に向けて準備を進めている。

両社は、「日産サクラ」(バッテリー容量20kWh)と「アーバンエース HF」を使用し、6階建ての試験棟で1階~6階の10時間連続往復運転を行う実証を1月に実施した。このときの実証では、エレベーターの連続昇降回数は263回(往復)、「日産サクラ」のバッテリー残量は100%から46%となり、10時間連続でエレベーターを稼働可能なことを実証している。今回の実証では、外部給電が可能なバッテリー残量10%まで連続稼働させる実証を行い、連続昇降回数416回(往復)、14時間56分の連続稼働を達成した。



なお、両社は、同条件で「日産リーフe+」(バッテリー容量60kWh)を用いて外部給電が可能なバッテリー残量10%までエレベーターの連続稼働を行った場合の理論値も算出している。この理論値では、連続昇降回数1248回(往復)、連続稼働時間44時間48分となるという。

なお、日立ビルシステムは、今回の実証結果を踏まえ、2023年6月のV2Xシステムの販売開始に向け、詳細な仕様検討などを進めていく予定だ。また、日産と日立ビルシステムは、V2Xシステムの普及に向け、今後も取り組みを推進すると述べている。

(出典:日産 Webサイトより)

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