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日産ら、EVでエレベーターを稼働させるV2Xシステム普及に向け協創

2023/1/31(火)

「日産サクラ」からの
給電の様子

日産自動車株式会社(以下、日産)と株式会社日立ビルシステム(以下、日立ビルシステム)は、EVからの給電で停電時のエレベーター利用を可能にするV2Xシステムの普及に向けて協創を開始する。1月27日付のプレスリリースで明かした。

昨今、頻発する自然災害に伴って停電が発生した際に、社会生活を継続できるようにするための対策に注目が集まっている。高層ビル・マンションなどにおいては、非常時電源として蓄電池などを整備する動きが進んでいるが、導入コストなどが課題となっている。

このような背景の下、日立ビルシステムは、EVの普及により、ビルの非常時電源として活用できる可能性が広がっていくことを見据えている。そして、停電時に、V2X技術により、EVからエレベーターなどのビル設備に給電を行い、継続利用を可能とするシステムを開発し、2023年中の実用化に向けて準備を進めている。

一方、日産は、EV活用による社会変革や地域課題の解決を図るために、2018年から「ブルー・スイッチ」活動を推進している。そして、全国の自治体や企業・団体など、さまざまなパートナーと共に取り組みを実施中だ。

また、両社は、協創の第1弾の取り組みとして、EVとエレベーターをV2Xシステムでつなぎ、EVからの給電でエレベーターを継続運転させる実証実験を実施した。具体的には、エレベーターの稼働電力をEVからの給電に切り替え、停電時に使用する低速運転モードで、6階建ての試験棟で10時間連続往復運転を実施した。車両には軽EV「日産サクラ」(バッテリー容量20kWh)を、エレベーターには日立標準型エレベーター「アーバンエース HF」を使用している。

この結果、エレベーターの連続昇降回数は263回(往復)、「日産サクラ」のバッテリー残量は100%から46%となり、10時間連続でエレベーターを稼働可能なことを実証した。さらに、同条件で「日産リーフe+」(バッテリー容量60kWh)を用いてエレベーターの10時間連続稼働を行った場合の理論値は、連続昇降回数263回(往復)、バッテリー残量は100%から72%となるという。なお、両社は、今後EVのバッテリー残量のリミットまでの長時間連続稼働の実証実験を行っていくと述べている。



(出典:日産 Webサイトより)

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