「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」再配達率が43%から15%に減少
2018/3/19(月)
■総評
- ○京都市
実証実験を通じて、宅配再配達の問題を多くの学生に知ってもらうとともに、解決策の一つとして、宅配ボックスを利用してもらえたことが成果ではないかと考えています。
今後も、すでにある様々なサービスの中から、自分の生活にあったものを利用して再配達の削減に取り組んでいただき、環境にやさしいライフスタイルへの転換のきっかけとなればいいと考えています。 - ○パナソニック
戸建て住宅(とくに共働き世帯)だけでなくアパートでも再配達は大きな課題であること、宅配ボックス「COMBO(コンボ)シリーズ」が再配達問題の切り札の一つとなることが実証できたと考えています。
今回の実証実験における一番の課題は「大型サイズの荷物が入れられない」というものでした。そこで、新製品として「大きめの容量を確保した ミドルタイプ」を4月に発売します。これによって15%だった再配達率をさらに下げることができると考えています。
当社は、我々の最終的な目標である、人が生活するすべての建物に宅配ボックス設置を目指し、CO2削減、労働力削減に貢献できるよう努めていきます。 - ○京都産業大学
社会問題に発展している「再配達問題」と「労働時間の問題」、そして、それに伴う「CO2排出問題」に対し、産学公が連携して実証実験を行ったことは非常に意義があると思っています。
本学は1965年に、宇宙物理学者の荒木俊馬が、当時では珍しい“産学公連携”を提唱して開学した大学です。今回のように、行政・企業・大学がむすびつき、社会に新しい価値をうみだす取り組みこそ、本学が創設以来50年以上にわたって大切にしてきたものであります。
今後もこのような取り組みには積極的に協力し、社会に貢献していきたいと考えています。
■アパート用宅配ボックス利用モニターの主なご意見
再配達にストレスを感じていたが無くなった
- ・宅配ボックス設置前は、不在票がポストに入っていると、再配達を依頼するという手間があり、ストレスを感じていた。しかし、宅配ボックス設置後はストレスを感じることが無くなりました。
- ・大学とアルバイトで家を空ける時間が多く、宅配便を1回で受け取ることがなかなか難しいので、宅配ボックスがあると便利だと感じた。
荷物の時間を気にせず外出できるようになった
- ・通販を利用する回数が増え、気軽に外出できるようになりました。
- ・以前は少し出かけている間に荷物が来ないか心配だったが、宅配ボックスが設置されてからは気にすることがなくなった。
- ・荷物が届く時間を気にしなくなりました。
- ・再配達の時間設定は2時間毎で、待っている時間がもったいないなと感じるときもあった。宅配ボックスのおかげで時間を有効活用できるようになりました。
大きいサイズなどさらなる工夫も欲しい
- ・もう少し大きいサイズのボックスが1~2個あったら、さらに嬉しいです。
- ・入らないサイズのものもあったので、大きさの違う宅配ボックスがあると嬉しい。
- ・宅配事業者が一度部屋まで来てチャイムを鳴らすという手間は減っていない部分もあると思う。宅配事業者の手間を減らすためのさらなる工夫があると良いと感じた。
■プロジェクトの概要
- ・プロジェクト名称:「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」
- ・実施期間:平成29(2017)年11月8日(水)~平成30(2018)年1月31日(水)
- ・実施場所:京都市内のアパート(5箇所)及び京都産業大学内
- ・主催:京都市
- ・協力:パナソニック(株)、京都産業大学、ヤマト運輸(株)、佐川急便(株)、日本郵便(株)
- ・モニター製品:
アパート・・・パナソニック社製 アパート用宅配ボックス『COMBO-Maison(コンボ-メゾン)』
ハーフタイプ CTNR4630R(L) 希望小売価格105,500円(税抜) ステンシルバー色 共有6錠タイプ
ハーフタイプ CTNR4830R(L) 希望小売価格111,500円(税抜) ステンシルバー色 共有8錠タイプ
京都産業大学・・・パナソニック社製 公共用宅配ボックス (実証実験用) - ・モニター対象:
アパート・・・設置協力いただくアパート(5箇所、106世帯)に居住の学生・単身者
京都産業大学・・・京都産業大学の学生、職員等
■調査内容
- ・アパート
3箇所66世帯で、7日間/月×3回(11月、12月、1月)出口調査を実施
モニター学生11名にアンケート調査を実施 - ・京都産業大学
学生と職員のモニター数51名、うち利用者29名の利用ログデータ、および、宅配事業者による
未納品荷物調査より把握。また、モニター学生と職員12名にアンケート調査を実施