自動運転バス運行高度化へ ソフトバンクら、デジタルツイン活用の実証実施
2023/6/5(月)
ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)らが設立した「デジタルツイン・キャンパス ラボ」は5月31日、デジタルツインを活用した自動運転バスの運行の高度化に向けた実証実験を開始した。
「デジタルツイン・キャンパス ラボ」は、ソフトバンクと慶應義塾大学SFC研究所(以下、SFC研究所)が設立したものだ。同実証では、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(以下、SFC)で実施している。具体的な実証方法としては、「デジタルツイン・キャンパス ラボ」が開発したデジタルツインプラットフォーム(以下、DTCLプラットフォーム)上で、建物の屋上に設置したセンサーの情報や信号機の灯火予測情報などを再現。SFC研究所が神奈川中央交通株式会社と共同で研究し運行している自動運転バスの走行システムにその情報を提供する。これにより、自動運転バスの運行を高度化するとともに、快適で安全な運行を目指す。
また、同実証では、「右折時の対向車検知」と「信号機の灯火予測による快適で安全な車両の運行」を行っている。「右折時の対向車検知」では、建物の屋上に設置したセンサーの情報を通信を介して共有することで、車両だけでは認識できないエリアを補完する。これにより、車両が認識するエリアを拡張することが可能となる。今回の実証では、SFC内の右折ポイントにおいて対向直進車の情報を、「DTCLプラットフォーム」からリアルタイムに取得できるようにしている。
一方、「信号機の灯火予測による快適で安全な車両の運行」では、SFC周辺の信号機の灯火情報について、信号機を映した固定カメラの映像などを基にAIにより推定。その情報を「DTCLプラットフォーム」から取得できるようにしている。さらに、過去の灯火情報に基づいて、信号がどれくらいの時間で変わりそうかも予測することが可能とした。これらの情報を自動運転バスと連携することで、より快適で安全な運行サービスの実現が可能になる。
なお、ソフトバンクとSFC研究所は、今後も「デジタルツイン・キャンパス ラボ」において、先端技術を活用した次世代情報インフラの研究開発を推進していくと述べている。
(出典:ソフトバンク Webサイトより)