【CES2025】ソニー・ホンダモビリティ、次世代EV「AFEELA 1」を発表|カリフォルニアに体験型拠点も開設
2025/1/27(月)
ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は、CES 2025において革新的な電気自動車「AFEELA 1」を発表し、米国カリフォルニア州での予約受付を開始した。89,900米ドルから販売される同車は、先進的な技術と洗練されたデザインで、モビリティの新しい可能性を示唆している。2025年内の正式発売を目指し、2026年中旬の納車開始の予定。モビリティ業界に新たな風を吹き込もうとしている。
革新的な技術が詰まった次世代EV「AFEELA 1」
ソニー・ホンダモビリティが発表した電気自動車「AFEELA 1」は、単なる移動手段を超えた未来のモビリティの姿を示唆している。最先端のテクノロジーと人間中心の設計思想が融合した同車は、自動車の概念を根本から再定義しようとしている。
搭載している運転支援システム「AFEELA Intelligent Drive」は、40個におよぶ高度なセンサーが車両周辺の状況を常時モニタリングする。カメラ、LiDAR、レーダー、超音波センサーから得られる膨大なデータは、最大800 TOPSの計算能力を持つ電子制御ユニットによってリアルタイムで処理される。認識、予測、行動計画の各段階で高度な判断を行い、ドライバーの負担を劇的に軽減できるとしている。
対話型パーソナルエージェント「AFEELA Personal Agent」は、従来の音声操作システムとは一線を画す。まるで知的な相棒のように、ドライバーと自然な対話を重ね、車両機能の制御だけでなく、行動提案や会話まで可能だ。移動中の時間を、単なる通過点ではなく、豊かな体験の場に変える可能性を秘めている。
車内空間は「Mobility as a Creative Entertainment Space」のコンセプトで設計されている。各シートに最適化されたサウンドシステムとディスプレイは、まるで移動するパーソナルシアターのような没入感を提供する。ソニーの音響技術とノイズキャンセリング技術が、圧倒的な音響体験を実現する。
デザイン面でも乗る人の心地良さにこだわった仕様で「オーバル」をコンセプトとし、インテリアとエクステリアの調和を追求した。インテリア表面積の約70%に植物由来原料や再生材を使用するなど、持続可能性への配慮も徹底している。
ソニー・ホンダモビリティのブランド「AFEELA」
「AFEELA 」とか、単なる車のブランド名ではなく、ソニー・ホンダモビリティが描く未来のモビリティ哲学を象徴する。「FEEL」という言葉に込められた意味は深い。それは、人間とモビリティの新しい関係性を提案するコンセプトであり、テクノロジーを通じて感情的、知的な繋がりを創造する試みを意味する。この新しいブランド名が示唆するのは、モビリティを単なる移動手段ではなく、知性を持つパートナーとして捉える革新的な視点だ。先進的技術とネットワーク機能により、車両は周囲の環境や乗る人の状態を「感じ」、それに応じて最適な空間と体験を提供する。同時に、乗る人も車両を知的で共感できる存在として感じることが可能になる。
AFEELA 1は、このビジョンを具現化した最初のモデルであり、人間と技術の新たな対話の形を示す挑戦的な試みといえる。
カリフォルニアに顧客体験拠点「AFEELA Studio & Delivery Hub」をオープン
ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は、AFEELA 1の発表と同時に、カリフォルニア州トーランス市とフリーモント市に「AFEELA Studio & Delivery Hub」を2025年後半にオープンすることを発表した。この革新的な拠点は、単なる展示施設を超えた、AFEELA ブランドの新しい顧客体験を提供する場所となる。両拠点は、最先端のモビリティテクノロジーと顧客エンゲージメントを融合させた独自の施設として設計されている。来場者は、AFEELA 1の実車を間近で観察し、専門知識を持つスタッフから詳細な説明を受けることができる。さらに、将来的には試乗サービスも計画されており、顧客が新しいモビリティを直接体感できる機会を提供する。
トーランス市長のGeorge K. Chen氏は、「この拠点は市のイノベーションとスマートモビリティへのコミットメントを象徴している」とコメントしている。また、フリーモント市長のRaj Salwan氏も、「米国内で最も高いEV所有率を誇る我が市にとって、AFEELA Studio & Delivery Hubは非常に重要な拠点となる」と期待を示した。
SHMA(Sony Honda Mobility of America Inc.)同社の山口周吾社長は、この新施設について「お客様がAFEELAブランドと出会い、コミュニケーションを育む場所」と位置づけている。単なる販売拠点ではなく、最先端の技術と感性を融合させた体験型ハブとしての設計となる。
施設のデザインにおいても、環境への配慮は徹底されている。内装には先端技術を用いたサステナブルな素材を積極的に使用し、AFEELAブランドの持続可能性に対するコミットメントを視覚的に示している。
具体的な拠点は、以下の住所に設置される:
– トーランス市:19301 Prairie Ave, Torrance, CA 90503
– フリーモント市:6100 Stevenson Blvd, Fremont, CA 94538
AFEELA Studio & Delivery Hubは、未来型の「モビリティ発信基地」としてオープン予定。
SHMはこの拠点を通じて、「多様な知を繋げ、最先端テクノロジーを追求する」というミッションを具現化し、モビリティの新しい可能性を世界に発信しようとしている。顧客との直接的な接点を大切にし、革新的なブランドエクスペリエンスを提供する戦略が始まる。