スズキ、四輪車80kg軽量化にめど 新型BEV『e VITARA』投入など技術戦略が具体化
2025/9/12(金)
スズキは、2024年に発表した技術戦略の進捗状況を公開した。最大の目標である四輪車の100kg軽量化に対し約80kg分の達成にめどをつけ、同社初のBEV新型「e VITARA」の投入計画を明らかにするなど、軽量化と電動化の両軸で戦略が具体化している。
今回の発表は、スズキが生活に密着したインフラモビリティ企業を目指す中で、技術面での具体的な進捗を示したものだ。
最も注目されるのは軽量化技術の進展である。安全で軽量な車体プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」をさらに進化させるとともに、過去モデルの研究や二輪・四輪の部門を超えた知見の共有により、目標としていた100kgの軽量化のうち、約80kgを達成できる見通しが立った。スズキは今後も部品一つひとつを見直し、目標達成を目指す。
同時にパワートレイン開発も着実に進んでいる。軽量な車体と組み合わせる新型ハイブリッドシステム「スーパーエネチャージ」は、目標性能を達成できる見込みだ。また、インドではカーボンニュートラル燃料(CNF)に対応した二輪車の量産を開始しており、四輪車でも年度内にFFV※対応エンジン搭載モデルを投入できるよう開発を進めている。
※FFV:Flexible Fuel Vehicle
電動化については、「バッテリーリーン」をコンセプトに、小さく効率的な電動ユニットとバッテリーでエネルギー消費を極小化する開発を進める。その第1弾となる同社初のBEV、新型「e VITARA」や、二輪の電動スクーター「e-ACCESS」をグローバルに投入していく計画だ。
このほか、顧客にとって「丁度いい」機能を提供するという独自のソフトウェア定義車両「SDVライト」の考え方を新型「e VITARA」から導入することや、リサイクルしやすい「易分解設計」への取り組みも強化する。
スズキはこれらの技術開発に加え、インドでのバイオガス事業や、デジタル技術を活用した「スズキ・スマートファクトリー」など、製造からエネルギー供給に至るまで多角的にカーボンニュートラルへの挑戦を続けていくとしている。