ティアフォー、カーネギーメロン大学と協業 自動運転「レベル4+」実現へ
2025/5/2(金)
ティアフォーは4月25日、自動運転「レベル4+」という新たな概念を提唱し、その実現に向けて、カーネギーメロン大学(CMU)との戦略的協業開始を発表した。
両者は、従来のロボティクス技術と最先端のデータ中心型AIを統合したハイブリッドアーキテクチャを共同で構築し、自動運転システムのスケーラビリティ、説明可能性、安全性を飛躍的に高めるとともに、エンボディドAIによる意思決定プロセスの透明性と、その根拠を後から検証できる仕組みを確立し、実社会での信頼ある応用を目指すという。
今回の協業は、CMUのRaj Rajkumar教授が主導する、米国運輸省の全米大学交通センター「Safety21」との連携によって、さらに強化される。ティアフォーはSafety21のアドバイザリー・カウンシル(諮問委員会)にも参画し、オープンソースソフトウェア「Autoware」を通じて、その価値と社会的意義を発信しながら、自動運転における安全性とユーザー体験の両立を実現する研究開発を推進するとのことだ。
また、今回のプロジェクトは、3年間の計画で進められ、初年度には「Autoware」ベースの自動運転機能を搭載したリファレンス車両を開発し、東京とピッツバーグで実証走行を行う。この車両は、実環境でのデータ収集やクローズドループによる検証・評価、公道での実証実験に活用され、得られた知見は「Autoware」およびオープンソースコミュニティに還元される。
そして、2年目以降は、ハイブリッドアーキテクチャの実用化に向けたシステム安全技術の確立に取り組み、自動運行装置の認可や特定自動運行の許可の取得に必要な安全性評価の体制整備を進めることで、信頼性の高い社会実装を支える基盤技術の確立を目指す予定だ。
▼関係者のコメント
■ティアフォー 代表取締役CEO 加藤真平氏のコメント
今回の協業は、最先端のAIとロボティクスの技術的強みを結集し、より安全かつスケーラブルで、説明責任を果たせる自動運転システムの構築に向けた大きな一歩です。カーネギーメロン大学との連携を通じて、Autowareの進化を加速させるとともに、オープンソースの価値を広く社会に届け、モビリティの未来を共に創造していきます。
カーネギーメロン大学 ジョージ・ウェスティングハウス記念教授 Raj Rajkumar氏のコメント
モジュール化されたEnd-to-End AIとロボティクス技術の統合は、「レベル4+」の実現に向けた重要なマイルストーンです。本協業を通じて、自動運転におけるAI活用の理解を深め、より安全かつ効率的なシステム展開を実現していけると確信しています。