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トイファクトリー、軽EVベースの新防災車両「マルモビライトEV」発表 岐阜県御嵩町と共同開発

2025/12/4(木)

キャンピングカー製造大手のトイファクトリーは、岐阜県御嵩町と共同で、軽EVをベースにした新たな多目的防災車両「マルモビライトEV」を開発した。キャンピングカー製造で培った架装技術を活かし、災害時には冷暖房や温水シャワーを備えた“動くエネルギーシェルター”として機能。平時は地域の見守りや移動支援に活用できる「フェーズフリー」な車両として、自治体向けに提案する。

トイファクトリーは、キャンピングカー開発の技術を応用し、自治体向けの多目的防災車両「マルモビ」シリーズを展開している。今回発表された「マルモビライトEV」は、その軽EVバン版であり、より高い機動性とEVならではの給電能力を両立させたコンセプトモデルだ。

開発の背景には、高齢化に伴う移動・福祉の課題や、夏季の熱中症リスク増加といった、全国の自治体が共通して抱える問題がある。トイファクトリーは、御嵩町との公民連携のもと、町職員の実際の声を取り入れながら開発を進めた。

ベース車両は、御嵩町が公用車としてすでに保有していた三菱「ミニキャブEV」。この車両が持つ給電能力を最大限に引き出し、災害時に求められる多様な機能をコンパクトな車体に凝縮した。最大の特徴は、最大15時間稼働する独自開発の車載ポータブルクーラーと、温水シャワー機能の搭載だ。これにより、停電や断水が発生した状況下でも、冷房の効いた休憩スペースや、衛生を確保するための温かいシャワーを提供できる。

後部座席を取り外せば大人が横になれるフラットな空間が出現し、パーテーションテントを組み合わせることで、プライバシーの保たれた休息スペースとしても利用可能だ。

平時においては、その機動性を活かし、登下校時の児童の見守りや、屋外イベントでの熱中症対策としての「クーリングシェルター」、高齢者の外出支援など、多目的に活用される。EVであるため排気ガスを出さず、学校や公園など人が集まる場所でも安全に運用できる。

この「マルモビライトEV」は、自治体がすでに保有している軽EVに後から架装することも可能だ。また、災害時に全国のマルモビ車両が相互に支援し合う「マルモビパートナーシップ協定」にも加入できる。

トイファクトリーは、このモデルを通じて、「いつも(平時)」と「もしも(有事)」の垣根なく活用できるフェーズフリーな防災車両という新たな概念を広め、地域の安全・安心に貢献していくとしている。

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