東洋インキSCHD、EV用電池等の材料を製造する北米第2拠点設立
2023/2/14(火)
東洋インキSCホールディングス株式会社(以下、東洋インキSCHD)は、リチウムイオン電池正極材用導電カーボンナノチューブ(CNT)分散体の北米第2拠点として、ライオケム・イー・マテリアルズ合同会社をケンタッキー州に設立した。2月13日付のプレスリリースで明かしている。
米国では、2030年までに国内で販売する新車の50%以上を電動車や燃料自動車とする大統領令が2021年8月に発令された。モビリティのゼロエミッション化が加速する中で、EV工場および車載用電池工場の大型投資計画が相次いで発表されている。2030年には、米国での車載用電池の生産量は容量ベースで22年時点の8倍超まで伸長するという予測だ。東洋インキグループのリチウムイオン電池正極材用導電CNT分散体LIOACCUMは、2021年、SKオンに採用され、米国ではライオケム株式会社(ジョージア州)から製品供給を行ってきた。しかし、北米エリアでの急激な需要増加に伴い生産能力が不足する見込みだ。そこで、リチウムイオン電池関連材料事業のパートナーである稲畑産業株式会社と、2023年1月、ライオケム・イー・マテリアルズ合同会社を設立した。2025年の量産開始を予定し、段階的に米国でのリチウムイオン電池正極材用導電CNT分散体の生産能力を現行の4倍まで引き上げることを計画している。
また、LIOACCUMは、車載電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)の次世代高容量リチウムイオン電池に採用された。同製品は、24年量産モデルより搭載される。東洋インキSCHDは、CATLでの採用に伴い、東洋インキグループの中国における分散体拠点である珠海東洋色材有限公司(中国広東省)の設備を増設し、生産能力を強化する予定だ。
なお、東洋インキグループは、リチウムイオン電池のさらなる性能向上を達成し、リチウムイオン電池用分散体事業を中核事業に成長させる。同時に、世界規模でのEV普及を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくと述べている。