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トヨタ車体、MaaS時代にミニバンの可能性を 地域の足や乗り合いサービスなど

2019/10/31(木)

2030年を見据えた新しいカタチのミニバンPMCV 。ライフシーンや、乗る人や載せるものに合わせて、8つのモードのシートレイアウトが可能。

10月24日~11月4日にかけて行われた東京モーターショー。トヨタ車体は「Creating New Value〜もっと移動によろこびを〜」をテーマに、移動に新しい価値を生み出す4つのモデルを出展した。
2016年にトヨタ自動車は新体制への移行を発表。製品軸で仕事をすることを目的に、製品群ごとに7つのカンパニー体制へ移行し、中短期の商品計画や製品企画を各カンパニーが担うこととなった。その中の一つである「CV Company」はトヨタ車体が中核メンバーとなり、商用車、SUV・トラック・ミニバンなどの車種群に責任を持つカンパニーだ。増井敬二取締役社長(以下、増井社長)もトヨタ車体の社長と兼任する形でカンパニーのプレジデントとして指揮を取ってきた。

増井敬二取締役社長



昨年11月にはクルマづくりのさらなる強化を狙い、トヨタ自動車から全てのバン事業がトヨタ車体に移管された。今回のモーターショーで初披露された年内発売予定のグランエースは、トヨタ車体がバン事業移管後にはじめて市場投入するフルサイズワゴン。

年内発売予定の「グランエース」室内空間



グランエースは、お客様送迎や役員車としてのカンパニー感、高級ホテルの送迎者を想定して開発されている。セカンドシートとサードシートには専用の本革キャプテンシートを採用し、大人4人がゆったり座れる広さと上質な室内空間を創出した。最適な振動、遮⾳対策により、あらゆる道路環境においても高級ワゴンにふさわしい心地よい静粛性が追求されている。また、新開発のサスペンションや環状骨格構造を採用し、上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現している。増井社長によると、「私自身、試作段階から何度もテストコースなどで試乗してきた。いいクルマだと言える」自信作だという。

Resort Tourer Concept(リゾートツアラーコンセプト) は、インバウンドや旅行客に向けた豪華列車のようなハイヤー。「主要な観光地へは行き尽くしたユーザーや海外からきた友人を、ガイドブックには乗っていないような場所へ案内するのにふさわしいクルマ」(増井社長)だ。対面4座シートには大人4人がゆったりと座ることができる。テーブルにはタブレットが格納され、思い思いの時間を過ごすことができる。さらに、シートテーブルを4つ合わせると、天井のプロジェクターから旅先情報が投影される。シートをセパレーターで仕切ることによって、プライベートな空間も確保できる。

Business Liner Concept(ビジネスライナーコンセプト) は、ビジネスパーソンが空港から次のシーンに移動するためのワンランク上の送迎ハイヤー。スマートフォンでチェックインすると、予約した席へ足元ライトやシートが案内する。ジグザグに配列されたシートはプライベート空間を創出し、周りを気にせずに資料やメールの確認ができる。また、シートは乗り降りがしやすいように左右15度に回転する。シートの下と後ろにはスーツケースとジャケットを収めることができる。単なる乗り合いサービスカーではなく、次のビジネスシーンを最高のコンディションで迎えられる、ビジネスマンに嬉しいクルマだ。

Business Liner Conceptは、ビジネスパーソンが空港から次のシーンに移動するためのワンランク上の送迎ハイヤー。



PMCV Concept(ピーエムシーブイコンセプト)では2030年を見据えたミニバンの新しいカタチを提唱した。ライフシーンや、乗る人や載せるものに合わせて、8つのモードのシートレイアウトが可能。1人〜7人まで、座席がアレンジでき、例えば7人がラウンジのように座って会話を楽しみながら移動することもできる。座席をすべて格納できるため、自転車やサーフボードなど⻑尺物も積み込める。前後に大きく開くスライドドアと、上に大きく開くガラスハッチにより大きな間口を実現した。

多くの人や荷物を載せることができるミニバンについて増井社長は、「地域の足や乗り合いサービスなどのシェアリングや配送サービスにおいても、可能性を秘めている」とし、福祉車両においても「ミニバンのバリエーションは多く、障害のある方、お世話をする方ともに、負担が少ない、楽しい移動ができるモビリティをトヨタと共につくっていきたい」と意欲を見せた。

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