【東京農工大】甲虫外骨格の頑強性の要因解明 自動車や航空機への応用に期待
2020/10/28(水)
東京農工大が22日、甲虫外骨格の頑強性の要因が接合部の構造、内部のミクロな層状構造、構成物によるものだとの研究成果を発表した。
甲虫類はカブトムシやクワガタなどが属し、地球上に35万種以上存在する。これら甲虫の外骨格は新しい材料デザインの宝庫として着目されているが、これまで外骨格の頑強性の要因は不明だった。今回の東京農工大の研究は、Phloeodes diabolicus(以下P.diabolicus)という甲虫を対象に行った。この甲虫は羽を持っていない代わりに頑強な外骨格を獲得したと考えられている。研究の結果、136±16ニュートン(N)にも耐える高い耐圧性、他の甲虫では1対しか見られない外骨格接合部にある2対の凹凸構造が明らかになった。
また、今回の研究では、カーボンシートを使って外骨格接合部にある2対の凹凸構造を模した構造体を作製し、有効性の評価も行っている。その結果、現行の航空材料の接合に用いられる様式と比較しても、強固に接合できることを実証した。
この外骨格構造は、自動車や航空機などのさまざまな分野での高強度・軽量材料のデザイン設計に応用することができると東京農工大は述べている。なお今回の研究では、乾燥環境下での水分の輸送・蓄積やエネルギー吸収に関わると考えられる微細構造も発見している。
(出典:東京農工大 プレスリリースより)