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都内走る米ウェイモ車公開 米国外で初、有人情報収集から

2025/4/11(金)

都内を走行する米ウェイモの車両と日本交通・GOの川鍋一朗氏

都内を走行する米ウェイモの車両と日本交通・GOの川鍋一朗氏

日本交通、GO、グーグル傘下の米Waymo(以下ウェイモ)の3社は都内を走行するウェイモ車両を4月10日、報道機関に向けて公開した。東京・高輪ゲートウェイシティで3社の幹部が会見した。3社は2024年12月に戦略的提携を結び、自動運転システム「Waymo Driver」による自動運転タクシーの試験を都内で行うと発表していた。ウェイモのシステムを搭載した車両が米国以外で公道を走行するのは日本が初めて。


第5世代車を導入、専用訓練受けた乗務員が操作

ウェイモ車両は25年4月14日以降、都内7区を日本交通のドライバーによる手動運転で走行し、走行データを収集する。車両は米国でテスト走行している「第6世代」に次いで新しい、米国内で商用運行するモデルでは最新型の「第5世代」車。
都内を走行するウェイモ車両は米国でも運行されているジャガー車ベースのもの。運転席は左

都内を走行するウェイモ車両は米国でも運行されているジャガー車ベースのもの。運転席は左




データ収集のセンサー類や車両の操作についての訓練を米国で受け、ウェイモによって同社の車両を運転する資格を認定された日本交通のドライバーが運転する。訓練を受けたドライバーは現在6人で、24時間走行するシフトを組める。

ウェイモ車両を運転できるドライバーの数を増やすとともに、25台をめどに車両も増車し、走行やデータ収集の状況をみながら走行する人や車両の数、時間帯など柔軟に運用していく。

ウェイモは米国のフェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティンといった都市で無人車両によるタクシー商用サービスを実施している。

一方、10日に会見した企業幹部らは日本での無人タクシーのサービス開始については明言を避けた。ウェイモの事業開発部門・パートナーシップ部門責任者 ニコール・ガベル氏はまずはデータを集めて日本の運転環境を理解することが先決とし、「次の段階に進むとしても、運転席にドライバーがいる状態での自動運転となる」と述べた。

ウェイモ車両の走行開始に関して、ウェイモは日本での自動運転導入に向けた検証をする。車両の運用と整備を担当する日本交通はデポ拠点を新設した。GOはタクシー配車アプリを持つプラットフォーム企業として自動運転の市場評価や導入支援、社会受容性の向上に取り組む。

会見では川鍋一朗 日本交通取締役・GO代表取締役会長、ウェイモのガベル氏、若林泰治 日本交通社長、GOの中島宏社長が登壇。また、JR東日本の喜勢陽一社長が来賓として祝辞を述べた。
左から中島氏、若林氏、ガベル氏、川鍋氏、喜勢氏

左から中島氏、若林氏、ガベル氏、川鍋氏、喜勢氏



日本社会に受容される自動運転を目指して

川鍋氏は「23年8月29日に米フェニックスでウェイモの無人タクシーに初めて乗車し、絶対に日本の未来のためになると感じた」と述懐し、都内で走行を始めることについて各国の関係者に謝意を表した。ガベル氏は「日本でウェイモ事業の重要なマイルストーンを打ち立てることをうれしく思う。3社の提携で米国の技術革新と日本の質の高い交通が結び付き、自動運転を世界規模で前進させるだろう」との見方を示した。

若林氏は「タクシー会社の運行管理ノウハウと最先端の技術が融合することで将来はこれまで以上に安全・安心・快適なタクシーサービスができる、社会に貢献できると確信している」と決意表明。中島氏は「日本の社会課題を考えると東京以外にも自動運転の取り組みを広げる必要があり、我々のようなプラットフォームと結びつきを強めていくことが重要になると考えている。まずはここ東京で社会に受け入れられるようしっかり進めていきたい」と述べた。

喜勢氏は「川鍋氏の強いすすめで米国のウェイモ社を訪れ、試乗をして自動運転の技術に驚嘆した」と明かし、「ウェイモ車両とSuicaを結びつけることによってストレスフリーでシームレスな交通をJR東日本の利用者にお届けしたい」と話した。

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