ベンツが考えるAI自動車とは?CES2017
2017/3/12(日)
CESで多くのメーカーが派手に自動運転自動車に向けた取り組みやコンセプトカーを発表している中、比較的地味な展示内容だったのがメルセデスベンツ/Merceds-Benzのブースだ。
メインに展示されていた「Vision Van」と名付けられた新しいタイプのヴァンは、ドローン開発のスタートアップMatternetとのコラボレーションによる移動配達用に開発された車両で、屋根の上からドローンが離発着できるようになっている。
つまり、日本でも問題視されている宅配便の配達負担と時間を削減するための専用車両で、配達先まで数キロの近距離までヴァンを移動させ、あとはドローンを使って配達を完了させることができる。
全体のデザインはのっぺりとしたベンツらしいもので、フロントグラス以外に窓は見当たらない。一方でフロントには巨大なLEDディスプレイが搭載されていて、イラストやサインなども表示できるようになっている。
宇宙船のような独特なデザインとアイデア
車内は大きな倉庫スペースで占められており、後部の大きなドアからラックごと荷物を積み込みできるようになっている。対するドライバーシートはすっきりとシンプルな空間になっており、ハンドルの変わりにジョイスティックで操作するユニークなものになっている。荷物エリアと運転エリアは宇宙船のようなドアで区切られており、車内の気温一定に保てるようにしている。
荷物の積み込みはロボットアームで自動で行い、配達の際に自動で届け先をインプットされるようにしているというが、アイデアとしてはまだまだコンセプトの段階で、本当に配達ができるのかどうかや、ドローンのメンテナンスやバッテリーの充電をどうするかといった細かい仕様は詰められていないようである。
ただし、ドローンで配達するというアイデアはAmazonやGoogleらが真剣に開発を進めており、CES会場内でも実用化に近いソリューションが紹介されていただけに、専用車両が実用化されるのはそれほど遠くない時期になるかもしれない。
あわせて会場では、ドライバーの健康状態をリアルタイムでモニタリングするウェアラブルデバイスも紹介されていたが、これらの用途は個人というより、自動車と業務が切っても切り離せないビジネス向けで、他のメーカーがよりパーソナル向けに快適さやエンターティンメント性のある自動運転自動車のアイデアを打ち出しているのに対し、ベンツは法人市場に向けた開発に力を入れていることが伺える。
NVIDIAと1年以内にAIカーを発売
CES会場でMerceds-Benzは、GPU半導体メーカーのNVIDIAと一緒にトークショーを行っている。Merceds-BenzのSajjad Khan副社長と、NVIDIAの創業者でCEOのJen-Hsun Huang氏が登壇し、元Appleのエヴァンジェリストとして知られるGuy Kawasaki氏が司会進行を務め、両社が目指す自動運転自動車のあり方について様々な意見が交わされた。
両社はAIを搭載した自動運転自動車を共同で開発し、12ヶ月以内に発売まで行うことを発表。車両デザインも会場で併せて発表している。開発そのものはすでに数年前から行っていたと説明し、AIの開発とAIを搭載した自動車の開発は誰もが目指す未来であり、新しいコミュニケーションの可能性につながるものであるとしている。
AIのもたらす役割としては、車内のセンシング機能があり、ドライバーの状態に合わせてドライビングを調整するなど、理想とする様々なアイデアが実現されることを目指していく。
Merceds-Benzでは2020年に向けて、Connected(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared & Service (共有とサービス)、Electric Drive(電動運転自動車)の4つを開発テーマに掲げ、CASEというキーワードで表現している。
これらのキーワードと今回の発表はまさしく一致しているもので、自動車業界全体に対して主導的役割を果たすためにも、NVIDIAのAIを搭載した車載用コンピュータを有効に活用した新車両の発売をいち早く行いたいところだろう。
メインに展示されていた「Vision Van」と名付けられた新しいタイプのヴァンは、ドローン開発のスタートアップMatternetとのコラボレーションによる移動配達用に開発された車両で、屋根の上からドローンが離発着できるようになっている。
つまり、日本でも問題視されている宅配便の配達負担と時間を削減するための専用車両で、配達先まで数キロの近距離までヴァンを移動させ、あとはドローンを使って配達を完了させることができる。
全体のデザインはのっぺりとしたベンツらしいもので、フロントグラス以外に窓は見当たらない。一方でフロントには巨大なLEDディスプレイが搭載されていて、イラストやサインなども表示できるようになっている。
宇宙船のような独特なデザインとアイデア
車内は大きな倉庫スペースで占められており、後部の大きなドアからラックごと荷物を積み込みできるようになっている。対するドライバーシートはすっきりとシンプルな空間になっており、ハンドルの変わりにジョイスティックで操作するユニークなものになっている。荷物エリアと運転エリアは宇宙船のようなドアで区切られており、車内の気温一定に保てるようにしている。
荷物の積み込みはロボットアームで自動で行い、配達の際に自動で届け先をインプットされるようにしているというが、アイデアとしてはまだまだコンセプトの段階で、本当に配達ができるのかどうかや、ドローンのメンテナンスやバッテリーの充電をどうするかといった細かい仕様は詰められていないようである。
ただし、ドローンで配達するというアイデアはAmazonやGoogleらが真剣に開発を進めており、CES会場内でも実用化に近いソリューションが紹介されていただけに、専用車両が実用化されるのはそれほど遠くない時期になるかもしれない。
あわせて会場では、ドライバーの健康状態をリアルタイムでモニタリングするウェアラブルデバイスも紹介されていたが、これらの用途は個人というより、自動車と業務が切っても切り離せないビジネス向けで、他のメーカーがよりパーソナル向けに快適さやエンターティンメント性のある自動運転自動車のアイデアを打ち出しているのに対し、ベンツは法人市場に向けた開発に力を入れていることが伺える。
NVIDIAと1年以内にAIカーを発売
CES会場でMerceds-Benzは、GPU半導体メーカーのNVIDIAと一緒にトークショーを行っている。Merceds-BenzのSajjad Khan副社長と、NVIDIAの創業者でCEOのJen-Hsun Huang氏が登壇し、元Appleのエヴァンジェリストとして知られるGuy Kawasaki氏が司会進行を務め、両社が目指す自動運転自動車のあり方について様々な意見が交わされた。
両社はAIを搭載した自動運転自動車を共同で開発し、12ヶ月以内に発売まで行うことを発表。車両デザインも会場で併せて発表している。開発そのものはすでに数年前から行っていたと説明し、AIの開発とAIを搭載した自動車の開発は誰もが目指す未来であり、新しいコミュニケーションの可能性につながるものであるとしている。
AIのもたらす役割としては、車内のセンシング機能があり、ドライバーの状態に合わせてドライビングを調整するなど、理想とする様々なアイデアが実現されることを目指していく。
Merceds-Benzでは2020年に向けて、Connected(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared & Service (共有とサービス)、Electric Drive(電動運転自動車)の4つを開発テーマに掲げ、CASEというキーワードで表現している。
これらのキーワードと今回の発表はまさしく一致しているもので、自動車業界全体に対して主導的役割を果たすためにも、NVIDIAのAIを搭載した車載用コンピュータを有効に活用した新車両の発売をいち早く行いたいところだろう。