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愛知県、今年度の自動運転プロジェクト発表 空港島内公道で1カ月運行など

2020/6/16(火)

画像:Adobe Stockより

愛知県は6月15日に行った知事会見で、2020年度自動運転社会実装プロジェクト推進事業の実施について発表を行った。
今年度は、自動運転の実用化・サービス化に向けた取り組みを加速するため、NTTドコモを幹事会社とする11社1大学の企業グループで事業を実施。商用5G、中部国際空港島全域での長期の運行(1カ月程度)、感染症対策を踏まえた自動運転コンセプト車両の検討など、社会実装に向けて技術面・運用面の両面から追求する導入シミュレーションを県内3地域で行う予定だ。

■実施内容

(1) 中部国際空港島内(常滑市)
モデル類型※2: ショーケース※3
実施ルート:空港ターミナルビル~国際展示場に至る区間の公道
実証テーマ:空港島全域における自動運転車両による移動
使用車両:小型バス車両(日野自動車「ポンチョ」をベースに自動運転システムを実装したもの。一部区間で、運転席無人かつ遠隔監視ありで運行する)
[特徴など]
・運転席無人(一部区間)の小型バス運行
・商用5Gを活用した遠隔監視等
・交通事業者による1か月程度の運行
※2 未来技術社会実装事業への提案において、社会実装が見込まれる地域を類型化し、モデルとして県で設定したもの。
※3 最新技術を一般の方等に対して紹介、説明する機会とするもの。
(用語の説明は、いずれも愛知県のプレスリリースより引用)

(2)西尾駅周辺市街地(西尾市)
モデル類型: 住宅団地・郊外
実施ルート:西尾駅~西尾市歴史公園の公道
実証テーマ: 生活/観光混在エリアにおけるMaaS
使用車両:タクシー型車両(トヨタ自動車「ジャパンタクシー」をベースに自動運転システムを実装。自動運転OS「Autoware」により走行する)

[特徴など]
・運転席有人、遠隔監視
・地域の店舗、観光スポットと自動運転車 両で共通の利用ポイント付与※9、相互PRも行い旅客の回遊性を向上
・地域の主要幹線道路での自動運転車両の運行

(3)愛・地球博記念公園(長久手市)
モデル類型: 集客施設内
実施ルート:公園内の大芝生広場周辺(閉鎖空間内)
実施テーマ:屋外公共施設における新たな車室空間体験を伴う移動
使用車両:自動運転コンセプト車両(現在開発中。ゴルフカートをベースとした、運転席や操舵装置なしの小型モビリティ。自動運転OS「Autoware」により走行する)

[特徴など]
・五感(振動、香り、光、音)を刺激する機器類による車内演出
・景色とデジタルコンテンツを重ねて表示可能な「透明ディスプレイ」
・感染症を見据えた新たな移動空間

愛知県では2016年度から自動運転の実証実験を積み重ねてきた。昨年度からは、内閣府の「未来技術社会実装事業」※1の枠組を活用し、遠隔監視等の自動走行の技術に加え、高精度衛星測位技術、AR(拡張現実)、顔認証システムなどを掛け合わせ、自動運転によるビジネスモデルの構築を進めてきた。
※1 内閣府が、地方自治体を対象に、AIや自動運転、ロボット、ドローンなどの近未来技術等を活用した地方創生に関する事業を募集し、優れた取組について関係省庁が総合的に支援する事業。愛知県は2018年8月に採択。(引用:愛知県の報道発表資料より)

■事業実施体制

株式会社NTTドコモに事業委託。同社を幹事会社とする11社1大学からなる企業グループで事業を実施する。

企業名と役割
NTTドコモ:事業統括、通信環境構築、コンテンツ及びサービスプラットフォームの提供、車両調達など
名古屋鉄道:交通事業者としての運行助言など
名鉄バス:自動運転バスの運行支援
名鉄東部交通:自動運転タクシー型車両の運行支援 (今年度新規参画企業)
メイテツコム:顔認証システムの提供
アイサンテクノロジー:車両の提供、3Dマップ作成、実証実験の実施
ティアフォー:自動運転OS(Autoware)の運用支援
岡谷鋼機:実証実験の支援
損害保険ジャパン: リスクアセスメントと走行中の安心見守り
愛知製鋼: MIセンサ(超高感度磁気センサ)を用いた磁気マーカシステムの提供 (今年度新規参画企業)
名古屋大学:実証実験におけるアドバイス
PwCコンサルティング: ビジネスモデル構築、モニター調査等(今年度新規参画企業)
注:アイサンテクノロジーの外注先として参画

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