自動運転車向け保険をあいおいニッセイ同和損保が発表 業界初
2020/10/12(月)
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(以下、あいおいニッセイ同和損保)は、地域交通課題の解決に向け、日本工営株式会社(以下、日本工営)が社会実装の運営をサポートする道の駅「かみこあに」(秋田県北秋田郡 上小阿仁村)において、業界で初めて電磁誘導線を活用した自動運転車(低速EV)に対し、自動車保険の提供を開始した。
今回の発表した保険サービスは、地域交通課題解決に向けた採算性確保に貢献すべく、自動運転サービス向けの商品開発を検討していたあいおいニッセイ同和損保と、低価格な自動車保険の必要性を強く感じていた日本工営とのニーズが合致し、道の駅「かみこあに」を拠点とした電磁誘導線を活用した自動運転サービスで使用する車両に対し、 走行環境や運行形態などのリスク実態に合わせ、自動車保険の割引を適用するもの。「道の駅」などを拠点とした自動運転サービスの実証実験は、内閣府・国土交通省・NEDOが推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転(システムとサービスの拡張)」の枠組みの中で、高齢化が進行する中山間地域を中心とした全国18カ所で、2017年度から実施している。
秋田県の道の駅「かみこあに」は2019年11月から全国初となる自動運転サービスを本格導入。日本工営はその運営サポートに参画している。
同地では、車両にヤマハ発動機製ゴルフカートを改造した最大7人乗りの自動運転車両を採用。走行ルート内に埋設された電磁誘導線で車両の誘導を行い、道の駅と各週略を結ぶ全長約4kmのルートを、最大時速12km程の低速で走行している。
政府はこうした道路側の補助機能を利用した自動運転を、過疎地等で公共交通として普及させる方針で、2030年末までに全国100カ所以上でのサービスの展開を目指している。一方、過疎地等において事業化に向けた多くの実証実験が行われる中、自動運転サービスを持続的に維持するためには、採算性をいかに確保していくかが大きな課題となっている。
あいおいニッセイ同和損保は、走行環境や最高速度が限定されることによるリスク削減効果を踏まえ、リスク実態に合わせた低価格の保険料を実現することで、保険面から運営サポートに取り組む方針だ。