大林組とアイシン、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証開始
2025/6/16(月)
大林組とアイシンは6月13日、大林組技術研究所でペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を始めたと発表した。
同実証では、大林組の開発した施工方法と設置方法で施工性の評価や発電量を検証する。具体的には、電池交換が容易なファスナー取り外し式工法の開発、年間発電量を最大化する設置方法の検証を実施するという。
ファスナー取り外し式工法は、建物が使用中でも電池を容易に交換可能な仕組みとして開発したものだ。ペロブスカイト太陽電池付きのシートと、屋根や壁面に所定の間隔で固定したメッシュシートをファスナーで固定する。今後は長期設置による耐久性の検証や、実際の取替工事を通じた施工性の評価も予定しているという。
また、今回の設置方法については、太陽電池を角度30度で平板で設置した場合と比較し、より多くの太陽電池を搭載することが可能になる見込みだ。個々の太陽電池の発電効率は低下するものの、同一設置面積あたりの発電量は20%以上増加すると試算しているという。今後は、それぞれペロブスカイト太陽電池の発電量や経年劣化度を比較評価する予定だ。
なお、大林組とアイシンは、今回の実証で得られる知見をもとに、ペロブスカイト太陽電池の早期実用化に向けた技術開発を推進する。そして、今後はビルや工場、インフラ構造物などさまざまな建設物への適用を視野に研究を進め、再生可能エネルギーの導入拡大とカーボンニュートラル実現に貢献すると述べている。
-
ファスナー取り外し式工法
イメージ
- 設置状況
-
年間発電量を最大化させる設置方法(奥)
従来の設置方法(中央)
ファスナー取り外し式工法(手前)