ソフトバンク、自動運転の遠隔サポート向けAI開発 完全無人化を目指す
2024/11/14(木)
ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)は11月5日、自動運転車の運行業務の完全無人化を目指して、低遅延なエッジAIサーバーで動作する、自動運転の遠隔サポート向け「交通理解マルチモーダルAI※」開発を発表した。
※ テキストや音声、画像、センサー情報など、複数の異なるデータ種別から情報を収集し、それらを統合して処理するAIシステムのこと。(プレスリリースより)
「交通理解マルチモーダルAI」には、汎用的なAI基盤モデルに、交通教本や交通法規などの日本の交通知識にくわえ、一般的な走行シーンや予測が困難な走行状況におけるリスクと対処方法を学習させている。これにより、自動運転車を安全に走行させるために必要な幅広い知識を習得し、交通状況と走行リスクを高度に理解することが可能だ。
くわえて、同社は、「交通理解マルチモーダルAI」を活用した自動運転の遠隔サポートソリューションの実証実験を慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(以下、SFC)で2024年10月に開始。この実証では、自動運転車が予期せぬ事態に直面して走行が困難になった場合でもスムーズに走行を続けられるように、「交通理解マルチモーダルAI」が外部から自動運転をサポートできるかどうかを検証する。
また、自動運転の遠隔サポートソリューションは、MONET Technologies株式会社が実施する自動運転技術を用いた実証などで、試験的に利用されているという。実際の走行環境で発生する、予測が困難な走行リスクと対処方法を継続的に学習することで、マルチモーダルAIの精度を向上させていくとのことだ。なお、ソフトバンクは、今後も社会課題の解決を目指し、自動運転の社会実装に向けた研究開発を推進していくと述べている。
■ソフトバンク 執行役員 データ基盤戦略本部 本部長 丹波廣寅氏のコメント
ソフトバンクは、国内最大級のAI計算基盤の整備と国産大規模言語モデル(LLM)の開発を進めています。今回のソフトバンク独自の『交通理解マルチモーダルAI』の開発と、それを用いた自動運転の遠隔サポート向けソリューションの実証実験の成功によって、通信技術とAIの融合が社会課題を解決できる可能性を示すことができたと確信しています
(出典:ソフトバンク Webサイトより)