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ボッシュが人工知能のレベルを向上 世界初のAIを駆使した車載サンバイザー「バーチャルバイザー」等展示 CES 2020

2020/1/7(火)

左:ロバート・ボッシュ GmbH 取締役会メンバー ミヒャエル・ボレ氏(Michael Bolle) 右:ボッシュ北米法人社長 マイク・マンスエッティ氏(Mike Mansuetti)

ボッシュは、2020年1月7日(火)~10日(金)に開催しているCES2020で、 ボッシュのAI関連ソリューションの展示ハイライトとして、世界初のAIを駆使したデジタルサンバイザー「バーチャルバイザー(Virtual Visor)」、 国際宇宙ステーションの予測保守用のアプリケーション、 車室内モニタリングシステム、 医療診断向けのスマートなプラットフォームなどを展示した。また、AIに精通した従業員を約2万人にすることを計画したトレーニングプログラムの策定などを発表した。
ボッシュはテクノロジーとサービスに関するアプローチについて、 「有益なAI:テクノロジーに対する信頼性を共に構築」というスローガンを掲げている。CES2020では、スマート製品の製造に向けた安全でロバストなAIを中心に展示しており、今回初公開する自動車向けのバーチャルバイザー(Virtual Visor)は、 AIベースのデジタルサンバイザーで、 自動車向け3Dディスプレイと同様、 CES(R)イノベーションアワードを受賞している。

プレスブリーフィングでロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーのミヒャエル・ボレ氏は「ボッシュが展示するソリューションによって、 ボッシュはAI分野でも技術革新のリーダーを目指していることがお分かり頂けるかと思います。 2025年には、ボッシュのいずれの製品にも、AIが備わるか、または開発や製造の過程でAIを活用することになるでしょう」と語った。

■ バーチャルバイザー

液晶ディスプレイパネルとドライバーまたは乗員をモニターするカメラとを結び付け、太陽がドライバーの顔に落とす影を追跡する。人工知能(AI)を使って、ドライバーに向けられたカメラの画像に基づきドライバーの位置を特定。また、AIを活用して目、鼻、口を含む顔の特徴的な要素を判定することで、顔の上の影を識別することができる。アルゴリズムがドライバーの視界を分析し、ディスプレイ上でドライバーの目に光が届く部分のみを暗くする。ディスプレイの残りの部分は透明なままで、ドライバーの視界を遮ることはない。

バーチャルバイザーを説明するマイク・マンスエッティ氏


■ 車室内モニタリングシステム

まぶたの動き、視線の方向、頭部の位置に基づき、ドライバーが眠気を催したり、スマートフォンを見ていることを検知し、危険な状況を警告する。また、車室内をモニターして、乗員の人数、乗員が座っている姿勢やポジションを特定。これにより、緊急時にエアバッグなどのセーフティシステムを最も有効に働くように調整することが可能になる。

■ 3Dディスプレイ

パッシブ方式3D技術を用いてリアルな3D効果の画像を生成し、警報を発する。これにより、従来の画面よりもすばやく視覚情報を把握することができ、ドライバーの交通安全が向上する。

3Dディスプレイを説明するマイク・マンスエッティ氏


■ 医療診断向け病理プラットフォーム(Vivascope)

血液やその他の体液などの標本を拡大し、顕微鏡的所見をデジタル化した後、AI駆動型アルゴリズムを用いて分析する。細胞の異常を正確にすばやく特定することができ、医師による評価と診断に有益なサポートを提供。

■ トレーニングプログラム

プログラムでは大きく3つに分かれたトレーニングフォーマットを準備。また、AIを使用するにあたってのガイドラインも含まれている。
(1)約1万6,000人の管理職にAIのビジネス面に関する研修
IoTおよびAIのトッププロバイダーになりつつある中、リーダーが正しい決定を下せるようにAIの専門知識を習得。
(2)AI学習プラットフォームの拡充
オンライン大学のようなもので、ボッシュの実際の仕事に基づいた事例と実習を使用して行う。現在1,500人以上のエンジニアがこのプラットフォームを利用しており、来年までには2倍に達する見込み。
(3)AI 開発手法に携わった経験がある約 500 人のエンジニアに研修
最高難度の研修プログラムで、データエンジニアリングやデータ分析などを効果的に学習できる追加コース。外部からAIエキスパートを招くだけでなく、現従業員のスキルを磨くことで、AIエンジニアの人数を増やす。

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