CESから見えたスマートシティと アーバンモビリティの連携とこれから
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2019/3/27(水)
50周年をきっかけに、エレクトロニクス・ハードウェアからデジタル・テクノロジー全般をテーマにした国際ビジネスショーへと舵を切ったCESが、ここ数年力を入れるジャンルの一つは間違いなく「スマートシティ」だ。出展規模は年々拡大し、ラスベガスコンベンションセンターのWestgate会場は昨年のほぼ倍になり、70ブース近い出展があった。昨年はまもなく日本でもサービスが始まる5Gを中心に、スマートシティ構想を打ち出す自治体らの出展が目立ったが、今年はIoTやアーバンモビリティが中心だ。
カナダやロシア、韓国など自治体が関連企業をまとめて出展するブースもあるが、今年は中国のバイドゥやインドのタタなどグローバル企業の出展も見られた。モビリティはもちろん、ロボティクスやAI、クラウド連携といったトータルソリューションをアピールし、都市生活を豊かで快適にする新たなインフラを提案しようとしている。また今年は、自動車メーカーが集まる隣のノースホールと連動するかのようにあちこちにデモカーが置かれ、モビリティに関する出展が明らかに増えている印象だ。MaaSという単語は使われていなかったが、自動運転による公共移動サービスや自動駐車システム、EVモビリティでのシェアライド等に関する技術やハードウェアが多数出展され、プラットフォームの標準化や規格に関する話題も目立った。
最も目に入るのが「Automotive Grade Linux (AGL)」のブースだ。オープンソースのリナックスをベースに車載テクノロジー開発を行うプロジェクトには、立ち上げの中心であるトヨタをはじめ、ホンダ、マツダ、メルセデスベンツ、ヒュンダイといったメーカーが参加し、アイシン、デンソー、ルネサス、NTTデータといった日本のサプライヤーも多い。中央にはAGLベースのインフォテインメントシステムを搭載した「2019 Toyota RAV4」が置かれ、それを取巻くように参加企業が個別に、AmazonのAlexaを使用した音声認識APIをはじめ、高いセキュリティとプライバシーを保つ技術や、ドライバーをサポートする安全システムなど、幅広いコネクテッド関連のテクノロジーを紹介していた。
日本企業としては、出展がなかったトヨタ自動車に代わってトヨタ紡織が初出展。モビリティでの移動時間やライフスタイルを快適にする技術を、車室空間モデルの「AceS(エーセス)」や「MOOX(ムークス)」を通じて紹介していた。またブース内には有志による空飛ぶ自動車の開発を進める「SkyDrive」の展示コーナーもあり、Bellヘリコプターの空飛ぶタクシー「Bell Nexsus」らと並び、空の移動を変える技術として注目を集めていた。
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