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人材育成通じ移動課題解決を図る共創事業が始動、黒部から全国へ

2024/8/2(金)

富山県黒部市で活動する一般社団法人SMARTふくしラボと、株式会社日建設計、株式会社図解総研の3者は、地域の移動課題解決を目的に人材育成・ツール開発をする「Community Driveプロジェクト」を開始したとこのほど発表した。2024年度国土交通省「モビリティ人材育成事業」の採択事業。3者の知見と成果を黒部市外の地域にも横展開していく。
3者は7月26日、黒部市内で公開型の「モビリティ可視化ワークショップ」を開催した。地域住民や行政職員、企業が参加して移動に関する課題の整理をし、将来の地域移動について考えるもの。ワークショップを、9月、11月、1月にも実施し、2月に都内でフォーラムを開催予定。

Community Driveプロジェクトでは、コミュニティ(地域)の動きをドライブ(加速)させる人材の育成を図る。さまざまな年代の地域住民や行政、企業が集まり、データを活用した上で対話し、地域の移動を考える研修プログラムを開発。住民が「自分たちの移動を自分たちで考えていく」ことを目指す。

SMARTふくしラボによる21年の調査では、黒部市内の福祉事業所が保有する送迎用車両など「福祉分野の移動資源」約210台の稼働は送迎中心にとどまっている一方、維持に年間約2億2000万円の経費がかかっている。既存の移動資源を地域全体で集約・共有する仕組みの実装と地域の課題解決に取り組む人材の育成が必要と3者はみる。

プロジェクトを主導するSMARTふくしラボは福祉分野のDXを加速させることを目的に、黒部市社会福祉協議会から派生して22年4月に発足。トヨタモビリティ基金などと協力して介護業務の送迎DXや、介護予防を目的とする高齢者の移動支援を行ってきた。プロジェクトを通じて、まちづくりの新しい手法を創出し、他地域への展開も図る。

日建設計は、人々のライフスタイルと都市空間の関係に着目して市民にとってストレスフリーな「モビリティまちづくり」を研究。モビリティによる水やガス、電気などの最適配送で都市インフラを現状よりも低コストに維持する「モビリティ インフラ システム」も提唱しており、将来のインフラシステム実装も見据えてプロジェクトに取り組む。

図解総研は複雑な概念を図解することで可視化する「ビジュアルシンクタンク」。3者がそれぞれの力を合わせてプロジェクトを推進していく。

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