コンチネンタルタイヤ、タイヤ技術賞を受賞 自動運転対応タイヤが高評価
2020/10/21(水)
コンチネンタルは欧州ゴムジャーナル(European Rubber Journal)から「Journey to Automation」賞における6つのカテゴリーの総合優勝、およびタイヤ技術賞を受賞した。未来の電動モビリティ・ソリューションであるコンチネンタルのタイヤコンセプト「Conti C.A.R.E.※1(コンチ・ケア)」を高く評価された。
「Conti C.A.R.E.」は、クラウドベースの接続性を持ち、特にフリートオペレーターにとって効率的なモビリティ管理の手段を提供するホイール/タイヤコンセプトだ。自動運転EVタクシーのフリートはその好例であり、未来のサスティナブル・モビリティの多くのコンセプトにおいて重要な役割を果たしている。※1 「Conti C.A.R.E.」は、Connected:接続、Autonomous:自律、Reliable:信頼、Electrified:電化、の略。2019年のフランクフルトモーターショーで未来のモビリティのためのソリューションを提供する技術として発表し、東京モーターショーでも展示した。
「Conti C.A.R.E.」は、タイヤの構造に組み込まれ、クラウドに接続されたセンサーを備えている。これらのセンサーは、タイヤトレッドの溝の深さ、損傷の可能性、タイヤの温度、空気圧に関するデータを生成し、それらのデータを継続的に評価することができる。この「ContiSense※2(コンチ・センス)」と名付けられた制御システムは、クラウドにリアルタイムでデータを送信する。このデータを使って、IT ツール「ContiConnect Live (コンチ・コネクト・ライブ)」で車両管理を効率的に行えるようにする。
※2 「ContiSence」は、2017年のフランクフルトモーターショーで将来的に道路の安全性および快適性の更なる向上につながる新たなタイヤ技術コンセプトとして発表され、東京モーターショーでも展示された。
また、ホイールに組み込まれた遠心ポンプによってタイヤの空気圧を能動的に調整するというアイデアも評価された。車両が加速すると、ホイール内の遠心力がポンプに作用して圧縮空気を生成する。この耐圧技術により、タイヤの空気圧を常に理想的な範囲内に保ち、CO2排出量を持続的に削減することができる。余った圧縮空気は、一体型タンクに貯蔵されるが、増圧技術により、この圧縮空気は運転状況に応じてタイヤ空気圧を即時に調整するために使用される。その結果、自動運転電気タクシーはタイヤの空気圧を上げることでより重い荷物を運んだり、ピーク時以外は貨物運搬車として機能したりすることができる。審査員は、コンチネンタルがイノベーション、IT、そしてひらめきのあるエンジニアリングをうまく融合させた点を高く評価した。
さらにこのプロジェクトは、「自動車業界全体に大きな影響を与える技術水準で自動車メーカーの要求を先読みした積極的なアプローチ」を採用している点も評価されたと欧州ゴムジャーナルは述べている。