共同配車とは、タクシー会社内で配車オペレーション業務を行う「配車室」を複数会社にわたって統合し、タクシー車両を迅速にユーザーのもとへ向かわせる仕組みだ。従来の「タクシーがつかまるまで一社一社に電話する」手間がなくなり、一度の電話で参画する全てのタクシー会社を対象に配車リクエストが可能になる。

「タクシーステーション新潟」サービス開始により、一つの電話番号で複数事業者のタクシーを呼ぶことが可能になり、利用者の手間が格段に減り利便性の向上が期待できる。また、共同配車は、経営統合することなく各社の配車室だけを統合するため、事業者側のコスト削減に貢献する。さらに、配車オペレーターの人材採用や育成に長年悩んできたタクシー業界の課題解決につながるといった利点もある。また、「タクシーステーション新潟」は、県内いくつかのタクシー事業者と今年中に順次共同配車を開始する予定だ。

なお、電脳交通は、今後は電話での受付だけでなく配車アプリの活用なども検討しており、タクシーを使いやすくするサービスの提供を通じて、新潟市の交通の利便性向上に貢献すると述べている。

▼関係者のコメント
■万代タクシー 代表取締役 中山真氏のコメント
万代タクシー株式会社は創業した1956年から66年にわたり、新潟市内の地域の足を支えるタクシー会社として、今まで走り続けてまいりました。タクシー業界においては新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛要請や、働き方も変わり、人々の生活に大きな影響を及ぼしたことから、業界全体で苦しい状況が続いております。
私ども万代タクシーにおいては、Withコロナの新しいタクシー像の確立を目指し、移動でお困りの一般のご利用者様、企業様を支援し活性化を促すことが使命と考え、共同配車事業「タクシーステーション新潟」を展開します。
タクシー会社の垣根を越えて、迅速にタクシーが駆けつけるようになれば利便性が高まり、地域活性化にもつながっていくと考えております。今後も「移動インフラ」を通して、地域の皆さまの発展に貢献してまいります。

電脳交通 代表取締役社長CEO 近藤洋祐氏のコメント
このたび、「タクシーステーション新潟」の設立にあたり、当社のクラウド型タクシー配車システムを導入いただきました。コロナ禍で大きな影響を受けた交通業界ではございますが、戻りつつある国内の移動需要への対応が求められるだけでなく、各地域における人々の生活移動が持続可能な状態であることが求められており、まさに次世代の運行管理が求められる時代へと突入しました。
「タクシーステーション新潟」は、新たな配車オペレーションを通じて、利用者の利便性向上だけでなく、各地域で住民に求められる移動サービスの発明を複数の法人タクシー会社が協力して取り組める体制であり、日本最先端の取り組みだと感じています。当社の技術をご活用いただき、共に地域交通の未来を共創できるパートナーとなれるよう本事業開発に取り組んでまいります。