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自動運転分野の隠れたニーズを探り化学材料で自動運転の未来を創る ダイキン工業×金沢大学

2017/10/31(火)


自動運転車の将来を描きながらソリューションを提案する

 

 

菅沼氏 欧州系のメーカーは、自動運転中に対面で座ったり、新聞やタブレットを見たり、車内で楽しむ方法を大々的にアピールしています。新幹線では酔いを防止するために緻密な努力をされていますが、なぜか自動運転についてはその議論が全くなされていません。意外と、酔いを防止するための試みはすごく重要だと思っています。実際に自動運転の実験を行う際にクルマで酔うことが多かったのですが、空調で酔いを防止することは可能ですか。

新家氏 酔いの防止や認知症を遅らせるなど、さまざまな機関で空調についての研究がされています。ストレスを測定しながら空調機を最適化するとか、快適性を高めることで病気になりにくくするといった開発を行っていきたいと思っています。自動運転車の車内での酔いを防ぐための技術開発は必要だと感じます。

菅沼氏 空調から自動運転に貢献できるところは大いにありそうですね。

新家氏 そう思います。

 

新家氏 ところで、自動運転でレベル5の車両は将来的に実現するのでしょうか。

菅沼氏 現状、レベル3の車両しか存在していません。将来的には今のADASが新しい形になったようなレベル2の超高度版と、レベル4や5のような完全自動運転と呼ばれるもので二極化すると思います。前者は価格もおさえられるので一般の方が入手できるような普通のクルマです。これがないと自動車をマスプロダクトとして売るような社会の実現は難しいと考えられます。レベル4や5は、あらかじめルート上の情報を入力できるようなバスやタクシーなどの公共交通機関であれば、運行開始前に運行管理会社がセンサーに問題がないかを確認して運行できるので、サービスがより早く展開でき、使う側もメリットを早く享受できると思います。

一般ユーザーが自動運転のクルマを持つ社会がすぐに来るのかというと、残念ながらそこは時間がかかります。あくまで運転支援のレベルが高度化したものであって、自動運転のようなイメージを体験できるクルマです。今、メーカーが開発している自動運転車の多くは高速道路の走行のみです。

サービスだけでいえば、いろいろと検討ができると思います。夢がないと開発するモチベ—ションにもつながらないので、どんどん進めていただきたいです。サービスが創造できると、完全自動運転がいいか、運転支援がいいかのすみ分けも可能です。サービス側から検討していくのもいい方法だと思います。

新家氏 将来を描きながら、自分達の技術が役に立って社会が変わっていくのは楽しいと思っています。お客様のニーズや、これからの材料や要望に対してはいろいろなソリューションを持っているので、5年・10年先を見据えた提案をしながら自動運転分野で貢献していければと思っています。

 

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第1回スペシャル対談 | Daikin Mobility Lab. | フッ素化学 | ダイキン工業株式会社

http://www.daikin.co.jp/chm/mobility/interview1-1.html

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