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DeNA、EV転換シミュレータ「FACTEV」試験提供開始

2023/3/28(火)

株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、EVの実用航続距離や導入効果予測を見える化するEV転換シミュレータ「FACTEV(ファクティブ)」をオートリース会社向けに4月1日から試験提供を開始する。3月27日付のプレスリリースで明かした。

日本におけるEV乗用車販売比率(2022年1月〜12月)は1.42% ※1にとどまり、EV普及で先行する北米、欧州、中国に大きく差を付けられている。EV普及を阻害している主な要因として、「価格(の高さ)」「航続距離(への不安)」「充電インフラ(不足)」が指摘されている。

※1:出典:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会 「燃料別販売台数(乗用車)」

「価格」については、近年、軽自動車のEVや一部の輸入車EVを中心に低廉化が進み、補助金を活用することでガソリン車並の価格で購入可能な車種が登場している。また、「充電インフラ」についても、急速充電器の設置に対して国の補助金が増額されるなど、徐々に拡充している。

一方、「航続距離」は、バッテリー容量大型化などにより、徐々に長距離走行も可能になっているものの、使用環境や運転の仕方、用途などにより、実際の航続距離(実用航続距離)は大きく変動する。このため、ユーザーごとに異なる実用航続距離をカタログ航続距離(JC08モードやWLTCモードなど)から予測したり、EV導入後の運用イメージ(途中充電の要否、頻度など)をEV導入前に把握することは困難だった。

「FACTEV(ファクティブ)」では、車検証や定期点検情報、運行管理台帳情報などの基本情報で、車両の使われ方を特定する。さらに、走行地域の道路特性や気象情報の分析、用途に合った候補EVの選定、実用性能(実用航続距離やバッテリー状況)や導入効果をデータで提供する。シミュレーションには、新たに情報(車載器から取得するCANデータなど ※2)を取得する必要がないため、すぐに候補EVの提示や、実用性能や導入効果予測を提示できる。

※2:CAN(Controller Area Network):車両のセンサーや制御などに関わるさまざまな車両データが流れる車両内の通信ネットワーク(プレスリリースより)

同社は、「FACTEV」等を含んだEV導入支援ソリューションをパッケージ販売する予定だ。同ソリューションには、「FACTEV」、「FACTEV」利用促進のための研修プログラム(マインドセット研修・提案力向上研修)、オートリース会社各社が抱えるEV普及に向けた課題へのコンサルティング(分析などを含む)が含まれている。同社は、「EV導入支援ソリューション」により営業のDX化を推進し、営業人材のリスキリング※3 を支援する。

※3 技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、業務上必要とされる新しい知識やスキルを学ぶこと(プレスリリースより)

なお、同社は、「FACTEV」をEVの導入を加速させるソリューションとして、2024年度の商用化を目指す。さらに、EV導入後の運用支援を見据え、今後はコネクテッドデータを含む各社のさまざまなEVデータをクラウド上で編集・加工(実用性能、導入効果、バッテリー寿命などの予実管理、見える化など)する。同時に、各社のEV情報を共通形式で各種サービス事業者(フリート管理、カーシェアリング、エネルギー、保険など)に提供するシステムの構築を目指すと述べている。



(出典:DeNA Webサイトより)

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