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デンソー、国内初「バッテリー温調モジュール」を開発 日野の燃料電池大型トラックに搭載、業界トップ級の冷却性能

2025/12/22(月)

株式会社デンソー(以下、デンソー)は2025年12月18日、電動大型トラックにおいてバッテリーの温度管理を担う「バッテリー温調モジュール」を開発したと発表した。本製品は国内初の技術であり、同年10月24日に発売された日野自動車の燃料電池大型トラック量産モデル「日野プロフィア Z FCV」に搭載されている。

物流業界において、カーボンニュートラルの達成には長距離輸送を担う大型トラックの脱炭素化が不可欠であり、電動化へのシフトが加速している。

しかし、電動大型トラックは走行時にバッテリーを高出力で使用するため、発熱量が大きく、従来よりも高い冷却能力が求められる。また、バッテリー寿命を延ばし、過酷な条件下でも安定稼働させるためには、バッテリー温度を精密に制御することが重要となる。

今回デンソーが開発した「バッテリー温調モジュール」は、カーエアコン開発で培った熱マネジメント技術を応用したものだ。
バッテリーに冷温水を供給して内部温度を制御する仕組みで、サイズあたりの冷却性能において業界トップレベル)同社調べ)を実現している。

最大の特徴は、ヒートポンプサイクルやラジエーター、ヒーターなどを、車両の空調システムから切り離して独立モジュール化した点にある。

これにより、車室内空調の影響を受けることなく、夏は冷却、冬は加温といったバッテリーに特化した最適な温度制御が可能となった。また、走行環境に応じた省エネ制御も導入されている。外気温度に合わせてラジエーターとヒートポンプのモードを自動で切り替える。

独自の高効率設計により、市場の同等製品と比較してエネルギー効率(COP)を20%以上高めることに成功した。さらに、高性能な熱交換器を活用することで、高い冷却性能とコンパクトな設計を両立させている。

デンソーは今後も熱マネジメントのコア技術を活かし、環境対応車の普及と持続可能な社会づくりに貢献していく方針だ。

バッテリー温調モジュール



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