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デンソーテン、新たな感情推定技術開発 安心・安全な運転への利用も視野に

2022/3/14(月)

感情推定の仕組みと
活用イメージ

株式会社デンソーテン(以下、デンソーテン)は、脳や心臓の働きと感情との関係による医学的アプローチ(身体の働き)に基づいた独自の感情モデルを構築し、新たな感情推定技術を開発した。2022年3月11日付のプレスリリースで明かしている。

従来の感情モデルとして、ラッセル円環モデルという心理学モデルがある。このモデルは、縦軸Activation(活性度)、横軸Pleasant(快適度)からなる2軸平面上に、楽しい、リラックス、悲しみ、退屈、怒りなどの感情を円環状に配置するというものだ。

これに対し、今回の技術は、感情と身体の働きの関係に着目し、医学論文などのエビデンスを元に、軸の定義と感情の配置を行って新たな感情モデルを構築している。脳波センサーや心拍センサーといった複数の生体センサーを活用することで、例えば、自動車を運転している人の感情を見える化する。クラウドサーバーに蓄積されているさまざまな情報を組み合わせ、状況ごとに最適なサービスを提供できるようになる。

具体的には、渋滞でイライラしている時には多少回り道になってもスムーズに走れるルートを提案するなど、安心・安全な運転に貢献するサービス提供が考えられる。教習所で練習中の際には、苦手な運転とその時の感情を客観的に知ることができ、効率的な練習につながると思われる。ほかにも、スポーツ選手の練習中や試合直前の感情を推定することで、より効果的なメンタルトレーニングに生かせられると考えている。

また、今回の技術は、3月14日に国士舘大学で開催された「情報処理学会 第197回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会、“医学的エビデンスに基づく新たな感情推定モデルの提案”」にて発表された。

なお、この新たな感情モデルを用いた信号処理により、80%を超える感情推定性能を確認したという。デンソーテンは今後、車載用途だけでなく、スポーツにおけるメンタルトレーニングなどへの適用も進めていくと述べている。


(出典:デンソーテン Webサイトより)

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