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電通など4社、WiFi7/Wi-Fiセンシングで高齢者みまもり実証開始 平時と災害時の両面で支援

2025/11/5(水)

電通、MIKAWAYA21、Goolight、となみ衛星通信テレビの4社は、総務省の採択を受け、Wi-Fiの次世代技術を活用した高齢者みまもりネットワーク構築の実証事業を全国5地域で開始した。カメラを使わずに生活状況を把握できる「WiFi7/WiFiセンシング」技術で、平時の健康維持や介護予防、孤独死防止に加え、災害時の在宅確認や避難支援までを行う仕組みの構築を目指す。

地方を中心に高齢化が進行する中、民生委員や介護職員といった地域のみまもりの担い手不足が深刻な課題となっている。また、災害時においては、支援が必要な高齢者の状況把握や避難支援が困難であるという問題も顕在化している。

今回の実証事業は、これらの課題をデジタル技術で解決することを目指すものだ。プロジェクトの中核となるのは、Wi-Fiの電波の変化を捉えて人やモノの動きを検知する「Wi-Fiセンシング」技術。高齢者宅に専用のWi-Fiルーターを設置するだけで、カメラを使うことなく、プライバシーに配慮しながら室内の活動状況や睡眠状態などを把握できる。

取得された活動データはAIで分析され、「長時間動きがない」「活動量が急に減った」といった異常を検知。また、日常のデータから運動機能や認知機能の低下の兆候を捉え、早期の介護予防につなげることも目指す。検知された情報はCRM(顧客管理システム)で対応履歴を一元管理することで、効率的かつ効果的なみまもり体制を構築する。

さらに、このネットワークは災害時にも活用される。地震や水害などが発生した際に、遠隔で高齢者の在宅状況を確認。これにより、避難支援が必要な対象者を迅速に特定し、行政職員や支援者の負担を軽減しながら、より的確な支援活動を可能にする。

実証は2025年10月から2026年2月初旬にかけて、長野県小布施町、富山県南砺市、神奈川県小田原市など全国5地域で、それぞれの地域課題に合わせて実施される。電通がプロジェクト全体の企画・推進を、高齢者向けサービスを展開するMIKAWAYA21や地域のケーブルテレビ事業者であるGoolight、となみ衛星通信テレビなどが現場での実装を担う。

4社は、この実証を通じて持続可能な地域ICTみまもりネットワークのモデルを構築し、将来的には全国への展開を目指すとしている。

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